研究課題/領域番号 |
20K08290
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
阿部 和道 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (30468128)
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研究分担者 |
高橋 敦史 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (40404868)
林 学 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (80745787)
大平 弘正 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90274951)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 自己免疫性肝炎 / 腸内細菌叢 / Veillonella dispar / Tfh細胞 |
研究実績の概要 |
AIHマウスモデル作成:メスC57BL/6マウスの肝臓から精製したS-100抗原タンパク(0.5-2mg/mLを0.5mL)とcomplete Freund’s adjuvant(CFA、0.5mL)をメスC57BL/6マウスにday0、day7に腹腔内投与し、4週間後に慢性肝炎を発症しAIHマウスモデルを作成。いずれのAIHモデルも頬静脈採血、麻酔として混合薬(ドミトール0.15ml/ドルミカム0.8ml/ベトルファール1ml、100μl/10g BW)を腹腔内投与して心採血、頸椎脱臼で安楽死させたのちに、肝臓を採取する。 血漿のALT、IgG、抗核抗体、また肝組織をHematoxylin Eosin染色とAzan染色で評価しAIHモデルとなっているか確認する。ALTの上昇や肝組織の炎症が弱いので繰り返しモデル作成を試みる。 AIHマウスモデルに抗菌薬[オートクレーブ水1Lで1g/Lアンピシリン1g/L、ネオマイシン1g/L、バンコマイシン0.5g/L、メトロニダゾール1g/L、甘味料(Sweetener Sweet’n Low、サッカリン)60g/Lを溶解し、100mL/ボトルを週2回置き換える]の飲料水経由で7日間腸管除菌する。PBSで希釈した口腔細菌1x108CFU/200μl(Veillonella dispar:株式会社KACから購入)を経口ゾンデを用いて経口投与し、4週間後に、頬静脈採血し、麻酔として混合薬(ドミトール0.15ml/ドルミカム0.8ml/ベトルファール1ml、100μl/10g BW)を腹腔内投与して心採血、その後頸椎脱臼で安楽死させ、肝臓、腸管、便を採取する。その後次世代シーケンサ・アンプリコン解析を用いてマウス便の腸内細菌叢の変化、肝組織をHematoxylin Eosin染色とAzan染色を用いて肝炎発症や重症化、軽減の有無を確認する。 今後、AIHマウスモデルにFITC-dextranを用いて腸管透過性を評価する.AIHマウスモデルから腸管, 肝臓を摘出し, フローサイトメトリーや免疫染色でTfh細胞の数や浸潤程度, 機能を解析する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
AIHマウスモデルが予定する肝炎所見を呈していない。Veillonella disparの培養管理も検討する。
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今後の研究の推進方策 |
AIHマウスモデルがうまく作成できれば、Veillonella disparの培養管理し投与していく。うまく作成できない場合は、LPSの腹腔内投与を行い炎症が惹起された環境でAIHマウスモデルの肝炎変化を確認する。 さらに、AIHマウスモデルにFITC-dextranを用いて腸管透過性を評価する.AIHマウスモデルから腸管, 肝臓を摘出し, フローサイトメトリーや免疫染色でTfh細胞の数や浸潤程度, 機能を解析する.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響もあり実臨床に追われて実験時間の確保ができなかった。また、AIH肝炎モデルの作成に時間がかかっており、その後の実験計画が遅れ、次年度使用額が生じた。今年度に計画した研究を遂行する。
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