研究課題
miRNAと糖鎖に注目した発現解析で、まずmiRNAを優先して解析する。日常臨床では、臨床検体として同意の得られた患者から胆汁および血清を採取する。胆汁中miRNA解析ではERCP施行時、カテーテルを用いて胆管から直接胆汁を吸引採取する。採取後速やかに遠心分離して上清を回収し、ガラスフィルター法を用いエクソソームを単離捕捉する。エクソソームからRNA抽出し、DNAマイクロアレイを用い網羅的比較解析を行う。同時に取得した血液サンプルも同様の工程を経てRNAを抽出し、併せて比較解析する。まず臨床情報を確認し、年齢・性別がマッチした10例の胆道癌症例と10例の総胆管結石症例の胆汁・血液サンプルの抽出に成功したため、解析を開始した。総胆管結石症例と比較し、癌症例において統計学的に有意に高い・低い発現を示すmiRNA群の同定に成功した。興味深いことに、その候補miRNAは血清サンプルを用いた比較解析では有意な群として抽出されず、胆汁に特異的なマーカーの可能性が示唆された。今年度の問題点として、新型コロナ感染症のため解析工程上の試薬の購入やサンプル移送、度重なる緊急事態宣言発令による技術協力者の移動の制限を余儀なくされ、当初予定していたスケジュールから大幅に遅れている。さらに、病院でのコロナ診療を優先する方針のため胆道疾患患者の入院受入数の制限もみられ、予定していた胆汁および血清採取のペースに至っていない。
4: 遅れている
新型コロナ感染症のため、予定していた症例サンプル蓄積の遅延に加え、解析工程上の試薬の購入やサンプル移送、度重なる緊急事態宣言発令による技術協力者の移動の制限を余儀なくされ、当初予定していたスケジュールから大幅に遅れている。
新型コロナ感染症の終息が第一の解決策である。現状では、コロナ感染が収まるのを待ちつつ、緊急事態宣言のない時期に、可能な範囲での症例サンプル追加蓄積、共同研究先とのサンプル移送、技術協力者の移動を円滑に行う。解析についてはオンライン会議で情報共有しながら進めたい。
コロナ感染症による研究全体の遂行遅延のため。今年度に未到達であった研究分野に使用していく。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
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