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2021 年度 実施状況報告書

オートファジーによる核蛋白を介したエピジェネティックなアミノ酸代謝調整機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K08296
研究機関順天堂大学

研究代表者

渡辺 純夫  順天堂大学, 医学部, 特任教授 (20138225)

研究分担者 山科 俊平  順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (30338412)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードオートファジー / 核マトリクス蛋白 / アミノ酸代謝
研究実績の概要

①癌細胞における細胞内代謝変化とオートファジーの動向との関連性の解明:細胞内代謝リプログラミングとオートファジー関連核蛋白の関与を明らかにするためにGFP-LC3プラスミドを導入した複数のヒト肝癌細胞株において低栄養環境下でのオートファジー誘導を蛍光顕微鏡観察によって評価し、オートファジー誘導能が亢進している肝癌細胞株と低下している細胞株を選別した。顕微鏡観察時にオートファジー誘導が抑制されている細胞株では、細胞内に脂肪滴が蓄積する傾向にあったため、PPARαアゴニストであるペマフィブラートを添加したところ、オートファジーが誘導され、細胞質内の脂肪滴がオートファゴソームによって取り囲まれるリポファジーが観察され、オートファジー分解基質であるp62の発現も減少した。以上のことからPPARαアゴニストは、オートファジー誘導が抑制されている癌細胞において細胞内代謝リプログラミングを正常化する作用を有している可能性が示唆された。これらに知見を基にPPARαアゴニスト添加前後のメタボローム解析も行っている。
②オートファジー機能によって発現が変化する核蛋白の同定とアミノ酸代謝変化との関連性の解明:肝癌細胞株においてオートファジー誘導の亢進した癌細胞と低下している癌細胞において発現が変化する核蛋白の解析を行っている。ヒトの肝癌細胞において同定されたオートファジー関連核蛋白とマウスにおいて同定された核蛋白とが異なった結果であったため現在、ヒト肝細胞株のオートファジー機能を抑制した状態で核蛋白発現がどのように変化するのかを検討している。ヒトにおけるオートファジー関連核蛋白が同定されたところでデータマイニング解析を行い、アミノ酸代謝と関連性の高い蛋白を選別する方針である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

複数の肝癌細胞株においてリソソーム蛋白分解酵素発現の違いがあるためにオートファジー誘導が促進している細胞株と低下している細胞株の選別が困難で時間を要してしまったために、解析がやや遅延傾向にある。

今後の研究の推進方策

オートファジー誘導亢進細胞と非亢進細胞株の同定は終了し、細胞のメタボローム解析と核蛋白発現変化の解析が主体となっている。オートファジー発現によって変化する核蛋白は多岐にわたるため複数の条件下での解析を行うことによりオートファジーに関連する蛋白をより絞り込むことが可能と考え、オートファジー誘導や抑制条件下での蛋白発現変化をさらに検証する予定としている。最終的に同定蛋白に関してはデータマイニング解析を行い、アミノ酸代謝と関連性の高い蛋白を選別する。

次年度使用額が生じた理由

オートファジー誘導亢進細胞と非亢進細胞株の同定に時間を要してしまったために、核蛋白発現解析とメタボローム解析が遅れたため、これらの解析に要する経費の一部を次年度に持ち込す必要があった。

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公開日: 2022-12-28  

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