研究課題/領域番号 |
20K08296
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
渡辺 純夫 順天堂大学, 医学部, 名誉教授 (20138225)
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研究分担者 |
山科 俊平 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (30338412)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | オートファジー / リソソーム / カテプシン / 核マトリクス / 代謝リプログラミング |
研究成果の概要 |
肝癌細胞株においてオートファジー機能が亢進している細胞ではカテプシン発現が増加し増殖能が高かった。カテプシン発現が低下している細胞では脂肪滴が蓄積する傾向にあった。脂肪化肝細胞にカテプシンを誘導するとリポファジーやマイトファジーが誘導され酸化ストレスが軽減した。ヒト化肝細胞ではカテプシン発現抑制によって代謝リプログラミングに関与する蛋白が不溶性核蛋白として蓄積した。以上のことから肝癌細胞において発現が変化するカテプシンは細胞増殖や脂質代謝の制御分子であり癌代謝リプログラミングに大きく寄与すると考えられた。カテプシンをターゲットとした新規検査法や抗癌治療の有用性が示唆された。
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自由記述の分野 |
肝臓病学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝癌は治療法の進歩に伴い治療成績は改善しつつあるが、死亡者数は24,839人(2020年)、5年生存率は35.8 %であり予後が悪い疾患である。肝癌の悪性化の機序は不明な点が多いが、本研究により肝癌悪性化において重要な代謝リプログラミングにリソソーム内蛋白分解酵素カテプシン発現が関与している可能性が示唆された。カテプシンを標的とした新規腫瘍マーカーや抗癌治療法の開発は、肝癌患者の予後改善に結び付く可能性があり社会的に重要な知見が得られた。
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