研究課題/領域番号 |
20K08297
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
岩切 勝彦 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (50221099)
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研究分担者 |
辰口 篤志 日本医科大学, 医学部, 准教授 (10350125)
北迫 勇一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (30361702)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 唾液分泌 / 逆流性食道炎 / 非びらん性逆流症 / 唾液中EGF |
研究実績の概要 |
PPI抵抗性逆流性食道炎を含めた逆流性食道炎、非びらん性逆流症(NERD)発症に及ぼす唾液分泌の影響を検討した。PPI抵抗性重症逆流性食道炎(抵抗群)ではPPI反応性重症逆流性食道炎(反応群)に比べ有意な唾液分泌(唾液量、初期pH、酸緩衝)の低下があることを報告した(Esophagus. 2021)。抵抗群に唾液分泌の影響があることから、軽症逆流性食道炎(RE)、非びらん性逆流症(NERD)についても検討を行い、両群とも健康対照(HS)に比べ唾液分泌低下があることを報告した(Esophagus. 2021, Esophagus. 2022)。その後性別を一致させた軽症RE、NERD、HS間の唾液分泌の比較では軽症REとNERD間に差がないが、HSに比べ両群の有意な唾液分泌の低下があることを明らかとした(Esophagus. 2023)。 PPI抵抗性重症逆流性食道炎の背景をみると女性、膠原病(主に強皮症)を有する患者に多く、抵抗群を膠原病の有無により分けて検討をしたが両群の唾液分泌には違いがなく、女性であることが抵抗群の因子の一つと考えられた(Esophagus. 2021)。男女差が唾液分泌に影響すると考えられることから、性別に分けて検討を行うと、男性の軽症REでは唾液分泌に違いはなかったが、女性軽症REでは唾液分泌の有意な低下がみられ、女性軽症REの病態に関連している可能性がることを報告した(Digestion. In press)。NERDについても性別毎の検討を行い、女性NERDでの唾液分泌低下があることを明らかにし投稿中である。 今回の検討から、唾液分泌が女性のRE、NERDの病態に関与している可能性を明らかとした。今後は唾液分泌を刺激することによる軽症REへの治療介入を行い、唾液分泌の重要性を明らかにしたい。
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