研究課題/領域番号 |
20K08328
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
前田 修 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院准教授 (20378053)
|
研究分担者 |
近藤 豊 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (00419897)
安藤 雄一 名古屋大学, 医学部附属病院, 教授 (10360083)
藤城 光弘 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (70396745) [辞退]
古川 和宏 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (70624310)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | DNAメチル化 / 循環腫瘍DNA |
研究実績の概要 |
化学療法を受ける食道がんおよび胃がん患者から同意を得て、診療上必要な内視鏡検査を施行する際に、同時に研究用の生検検体を採取した。また、診療上必要な採血を行う際に同時に研究用の採血を行った。腫瘍検体からDNAおよびRNAを抽出し、血液検体からは腫瘍由来循環DNAを抽出した。一部の症例では臨床経過に伴い、複数回の内視鏡検査が施行され、その際に臨床経過による腫瘍由来遺伝子の変化を解析するために研究用の生検検体を収集した。一方で、化学療法の有効性と耐性に関与する可能性のある遺伝子について過去の報告及び公開されているデータベースから、候補となる遺伝子を抽出した。これらの病態と関連が考えられる遺伝子について遺伝子変異、遺伝子発現、DNAメチル化等の解析を行うとともに、次世代シークエンス及びマイクロアレイを用いた網羅的解析を行った。並行して電子カルテから化学療法の腫瘍縮小効果および副作用等の臨床情報を収集して、経時的な遺伝子変化との関連の解析を行った。さらに、胃癌培養細胞株AGSのシスプラチンおよびフルオロウラシルの耐性株について、シスプラチンおよびフルオロウラシルの耐性株に関わるDNAメチル化の変化をメチル化アレイで網羅的に解析した。抗がん薬耐性細胞株でDNAメチル化に変化が見られた185遺伝子について、腫瘍とctDNAのメチル化レベルの相関は、R2が0.48~0.71とばらつきがあった。シスプラチンとフルオロウラシルを含む化学療法前後の血液由来のctDNAのメチル化レベルは、SPTSSBは化学療法後に上昇し、CD81およびFASTKは低下し、その変化は抗がん薬耐性細胞株でみられた変化と合致した。抗がん薬耐性に関わるDNAメチル化レベルの変化がctDNAにおいても検出できる可能性が示唆された。
|