研究課題/領域番号 |
20K08357
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
橋本 真一 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (40530217)
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研究分担者 |
高見 太郎 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60511251)
山本 直樹 山口大学, 教育・学生支援機構, 教授 (90448283)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 線維性腸管狭窄 / クローン病 / CT enterography |
研究実績の概要 |
マウスを使用した基礎的研究に関しては令和3年も着手できていないが、臨床研究に関してはクローン病症例に対して定期的なCT enterographyを実施しており、臨床症状、血液・血液生化学所見や治療内容および臨床経過の情報を集積している。特に内視鏡所見における炎症の改善(endoscopic healing)とCTで腸管全層性の炎症の改善(transmural healing)を同時に認めた場合は再燃率が低いとする報告が近年なされており、当院での検討でも同様の結果が得られている。これまでに集積した症例の内視鏡所見を臨床経過について知らされていない内視鏡医2名で判定し、CT enterography所見に関しても、臨床所見について知らされていない放射線科医2名で判定し、両者の比較と炎症関連マーカーであるCRP値との関連について当院倫理委員会の承認を得て検討を進めており論文化を進め(H2020-185)、令和3年にInternal Medicine誌に投稿し同年受理された。この内容は令和4年4月に開催された第108回日本消化器病学会総会でもパネルディスカッションに採択された。 線維化の評価に関しては、手術症例におけるCT enterographyと病理組織学的所見との比較検討も行い、臨床経過や治療内容との関連を検討する予定である。 今後の目標としては、クローン病の治療薬の選択肢が多くなっているが、消化管合併症の原因となる線維化を予防するために、どのような治療を行うのがよいかは明らかとなっていないため、当院でのCT enterographyで評価した知見と臨床経過を、後方視的に検討していくこととしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスの実験系について立ち上げが遅延しているが、臨床研究では1報目の論文作成を行い、受理されたため掲載を待っている状態である。今後は今回得られたデータのサブ解析に関するデータの論文化や手術症例に関する検討を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
今後も臨床研究を中心に検討を進めて行く予定であり、炎症のマーカーとしてはCRPだけでなく、近年測定可能になったLRGに関しても内視鏡所見およびCT enterographyと比較検討を行う予定である。当院ではCT enterographyを導入して13年経過するため、長期予後に関しても十分な情報を集積できると考えている。本邦においては、CT enterographyを導入している施設が少なく、今後も全国及び世界に発信できる研究が継続できると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響にて、学会活動に関連する旅費が使用できず、本年は基礎研究にも着手できなかったため、次年度使用額が生じた。令和4年の使用計画としては、動物実験の立ち上げと、令和3年に評価した症例の長期経過を追跡して論文作成予定であり、それに関連した学会参加および情報収集費や英文校正に予算を使用予定としている。
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