研究課題/領域番号 |
20K08361
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
田中 守 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (80617861)
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研究分担者 |
片岡 洋望 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40381785)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | PDT / ICD / DAMPs / PD-1 |
研究実績の概要 |
光線力学的療法(Photodynamic Therapy, PDT) は、光感受性物質が選択的に集積した腫瘍組織にレーザー光を照射し腫瘍細胞を選択的に破壊する低侵襲な治療法である。また免疫チェックポイント阻害剤は、持続的な腫瘍縮小効果を示すが、その奏効率は限定的である。 我々は、PDTがimmunogenic cell death (ICD)を誘導し、Damage-associated molecular patterns(DAMPs)の放出を介して、抗腫瘍免疫を活性化することを見いだした。PDTの免疫応答は抗がん剤や放射線治療(radiation therapy, RT)よりも強いことが予想され、免疫チェックポイント阻害剤の併用療法の相乗効果おおいに期待が出来る。 本研究ではPDTと免疫チェックポイント阻害剤の併用療法の相乗効果の基礎的なメカニズムをDAMPsの放出や腫瘍内環境の変化を中心に解明し、今後の課題である免疫チェックポイント阻害剤に対する抵抗性・耐性を克服するための治療戦略の確立を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に予定していた、PDTと免疫チェックポイント阻害剤の併用療法の殺細胞メカニズムの解析とPDTによるICDの指標となるDAMPsの発現の検討を予定通りに施行することができた。ここまでに得られたデータを消化器病学会で報告する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は予定していた、Syngeneic皮下移植腫瘍モデルでのPDTと免疫チェックポイント阻害剤の併用療法の抗腫瘍効果の検討とPDTと免疫チェックポイント阻害剤の併用療法のSyngeneicモデルでの抗腫瘍免疫誘導能の検討を施行する予定であり、現在それらの実験の一部を始めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響で学会等の交通費が一部削減されたため未使用額が生じた。
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