研究実績の概要 |
光線力学的療法(Photodynamic Therapy, PDT) は、光感受性物質が選択的に集積した腫瘍組織にレーザー光を照射し腫瘍細胞を選択的に破壊する低侵襲な治療法である。また免疫チェックポイント阻害剤は、持続的な腫瘍縮小効果を示すが、その奏効率は限定的である。我々は、PDTがimmunogenic cell death (ICD)を誘導し、Damage-associated molecular patterns(DAMPs)の放出を介して、抗腫瘍免疫を活性化することを見いだした。PDTの免疫応答は抗がん剤や放射線治療(radiation therapy, RT)よりも強いことが予想され、免疫チェックポイント阻害剤の併用療法の相乗効果がおおいに期待が出来る。本研究ではPDTと免疫チェックポイント阻害剤の併用療法の相乗効果の基礎的なメカニズムをDAMPsの放出や腫瘍内環境の変化を中心に解明し、今後の課題である免疫チェックポイント阻害剤に対する抵抗性・耐性を克服するための治療戦略の確立を目指す。
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