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2020 年度 実施状況報告書

臓器透明化技術による肝内神経支配と慢性肝疾患病態形成機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K08373
研究機関山形大学

研究代表者

水野 恵  山形大学, 医学部, 客員研究員 (00715394)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード肝内神経線維
研究実績の概要

本研究は、肝内神経線維が肝疾患の進行および回復によりどのように変化するかを明らかにすることを目的としている。
まず、ヒトの肝生検標本を用いて、神経線維を免疫組織化学染色にて同定した。慢性肝炎と正常肝、線維化進展群と非進展群、高度の炎症を伴う群と軽度の群で比較し、慢性肝炎では正常肝よりも神経線維が有意に減少し、線維化進展群で非進展群よりも減少していることを明らかにした。炎症の程度では有意な差は認めなかった。また、慢性肝炎の回復期での変化を確認するために、HCVに対する抗ウイルス治療の前後で肝生検を行った症例についても検討したところ、治療後には神経線維量が回復傾向にあることが明らかとなった。これらの結果を"Intrahepatic distribution of nerve fibers and alterations due to fibrosis in diseased liver"というタイトルで論文化し、発表した。
次に、マウス肝臓の葉全体を透明化して神経線維を染色することで、肝生検で問題となるサンプリングエラーの可能性を除去して評価することを試みた。本年度は、肝硬変モデルマウスとNASHモデルマウスの作成を行った。肝硬変モデルマウスは、マウス腹腔内へ四塩化炭素ml/kgを週2回、12週間投与することで作成した。NASHモデルマウスは、FFC食を20週間投与することで作成した。組織学的に、肝硬変モデルマウスでは高度の線維化、NASHモデルマウスでは脂肪化と線維化を確認できており、モデルマウスの作成には成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究の一部を論文として発表することはできたが、研究者の出産および育児により、研究を予定通り進めることが困難であった。

今後の研究の推進方策

肝内の神経線維を可視化するために、マウス肝の1つの葉全体を透明化し、神経線維を免疫組織化学染色にて同定することを試みる。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、学会が中止やWeb開催となったため、旅費としての支出がなかったことが主な原因である。新型コロナウイルス感染症拡大により実験施設への移動も困難となっていることから、一部検査を外注する必要が生じており、この分は次年度に外注費用として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Intrahepatic distribution of nerve fibers and alterations due to fibrosis in diseased liver2021

    • 著者名/発表者名
      Kei Mizuno, Hiroaki Haga, Kazuo Okumoto, Kyoko Hoshikawa, Tomohiro Katsumi, Taketo Nishina, Takafumi Saito, Hideki Katagiri, Yoshiyuki Ueno
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 16(4) ページ: e0249556

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0249556

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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