研究課題/領域番号 |
20K08379
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
上村 顕也 新潟大学, 医歯学系, 特任教授 (00579146)
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研究分担者 |
寺井 崇二 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00332809)
坂牧 僚 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40792289)
横尾 健 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (80750629)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 遺伝子治療 / ハイドロダイナミック遺伝子導入法 / 膵癌遺伝子治療 / 核酸医薬 |
研究実績の概要 |
本研究は膵臓選択的なハイドロダイナミック遺伝子導入法(HGD)を膵癌の新規遺伝子治療法に応用するための方法論、抗腫瘍効果を学術的に検証するためのステップと位置づけ、膵癌モデルの確立、HGDパラメーターの確立、治療遺伝子の選択、効果と安全性の検証、膵癌モデル動物に対する治療効果の検証を行うことを目的としている。本年度は、膵臓選択的なハイドロダイナミック遺伝子導入法を用いて、膵癌モデル動物を確立することに重点を置いて研究を行った。 具体的には、 1. 膵臓選択的なHGDにより膵癌で発現、活性化が報告されている各種の膵癌関連遺伝子発現ベクター(Myc, K-ras及びその変異体K-rasG12D, N-ras及びYap遺伝子)を単独あるいは複合で、ラット15匹ずつに膵臓選択的HGDにより送達し、膵臓での前癌性病変、発癌を誘導した。経時的な状態観察、超音波装置を用いた腫瘍形成のスクリーニングを行い、短期間に効率的にラット膵臓での腫瘍形成を認めた。 2. 方法論の確立と並行して、上記の膵腫瘍の性状を組織学的、分子生物学的に解析している。上記モデルの膵発癌過程で、経時的に発現が変化する遺伝子群について、real time PCRにより解析し、蛋白発現変化を免疫染色、Western Blot法により検証している。 これらの解析から、膵癌モデルの癌組織及び周辺組織の遺伝子発現変化が明らかとなり、膵癌遺伝子治療のための治療遺伝子確立及び膵癌細胞選択性を担保するためのプロモーターの確立に結び付くと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調 1. 膵臓選択的なハイドロダイナミック遺伝子導入法により、効率的にラット膵癌モデルを確立した。 2. 方法論の確立と共に、確立した膵癌モデルの腫瘍を組織学的、分子生物学的に解析し、治療対象分子の絞り込みが可能である。 3 研究協力者である、仁科博史教授、大塚正人教授、Dexi Liu教授より、研究の方向性について、適切なアドバイスを得ることが可能であった。 以上の点から、現時点で本研究が順調に進展していると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は前年度の結果に基づき、効率的な膵癌モデル作製のためのハイドロダイナミック遺伝子導入法のパラメーター(遺伝子注入、遺伝子)の確立と治療遺伝子の選択に重点を置いて検証する。具体的には、 1.効率的な発癌のための、ハイドロダイナミック遺伝子導入法の時間-内圧曲線などのパラメーターを最適化する。発癌遺伝子導入後4週ごとに、12週後まで、経時的にラット各5匹に対し、各パラメーターのもとで、各発癌遺伝子またその組み合わせの遺伝子溶液を膵臓選択的にハイドロダイナミック遺伝子導入する 2. 腫瘍発生効率、組織学的な性状、分子生物学的な特徴から膵癌モデル確立のための、最適な遺伝子導入パラメーターを確立する。 3. 1,2の結果に基づき、膵癌遺伝子治療のための治療遺伝子の選択を行う。申請者らはこれまでに肝癌に対する遺伝子治療開発の過程で、細胞の蛋白合成を阻害し、細胞死を誘導するジフテリアトキシンAフラグメント遺伝子発現プラスミドの抗細胞増殖効果、蛋白合成阻害効果を報告しており、本遺伝子を含む治療遺伝子候補の遺伝子発現プラスミドを確立する。その抗腫瘍効果をin vitroで膵癌培養細胞株(AsPC-1, Capan-1, 等)に遺伝子導入し、細胞増殖、アポトーシス等を評価し、抗腫瘍効果を評価する。 以上の結果から、HGDによる膵癌遺伝子治療を行うためのモデル、治療遺伝子が確立する。本検証の系統的な方法論は申請者らが肝癌遺伝子治療の確立の過程で実施しており、応用できる。
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次年度使用額が生じた理由 |
プライマーの納品が少し遅れたため、引き続く物品の購入が遅くなりました。
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