研究課題
Mac-2 binding protein(M2BP)測定済みの肝生検施行済みのNAFLD患者510例の追跡調査が完了し、論文化し採択となった。本論文では予後調査ができた395例(NAFL 93例、NASH 302例)で検討を行った。平均観察期間は2550日、最大は7483日であった。観察期間内の死亡症例は13例、肝癌発症症例は14例、肝硬変発症症例は18例、食道静脈瘤発症症例は13例、心血管病発症者は10例、他臓器癌発症症例は36例であった。他臓器癌は乳癌が最も多く(9例)、以下大腸癌(7例)、胃癌(6例)であった。生命予後については2群間に差を認めなかった。肝癌発症は高値群で12例、低値群で1例の発症を認め、高値群で有意に発症が高率であった(P<0.01)。肝硬変発症は高値群で14例、低値群で4例が発症し、高値群で有意に高率であった(P<0.05)。静脈瘤発症は高値群で12例、低値群で1例が発症し、高値群で有意に高率であった(P<0.01)。CVD発症は高値群で5例、低値群で8例が発症し、有意差を認めなかった。他臓器癌発症は高値群で18例、低値群で17例が発症し、有意差を認めなかった。他臓器癌については差がなかったが大腸がん発生についてはM2BP高値群で発症が多く有意傾向が得られた。マウスを用いた基礎実験についても進行中である。NAFLDモデルを中心に解析を行っている。2020年度は研究代表者である鎌田が所属変更のためマウス実験については一度中断していたが3月末に動物の移動も完了し、2021年度に研究推進していく環境が整った。バイオマーカーと並ぶ非侵襲的診断法として超音波検査を用いたshear wave elastographyをマウスで施行する方法を確立し、論文化し現在投稿中である。2022年度も引き続き確立したマウス超音波検査による評価法を用いて検討を続けていく。
1: 当初の計画以上に進展している
肝生検施行NAFLD症例の予後調査が予想以上に早く進み、論文化しアクセプトとなった。また研究代表者の所属移転に伴い中断していたマウスモデルの研究も予想以上に早く体制ができ、研究再開が可能となり、すでに超音波検査を用いた論文を論文化でき、投稿中である。
全国多施設共同研究での症例数を増やし、予後調査を継続する。またマウスでは確立した方法を用いた超音波検査による肝線維化評価法を軸にして遺伝子改変マウス、治療薬を用いた検討を2022年度は展開していく。
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