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2022 年度 実績報告書

直腸環境の特殊性からみる潰瘍性大腸炎の再燃機序

研究課題

研究課題/領域番号 20K08389
研究機関九州大学

研究代表者

荻野 治栄  九州大学, 大学病院, 助教 (80621705)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード潰瘍性大腸炎 / 粘膜バリア機能 / 直腸環境
研究実績の概要

潰瘍性大腸炎は直腸から炎症が生じ、口側に伸展する難治性疾患である。直腸に発症のトリガーとなる因子がある可能性があり、今回潰瘍性大腸炎(UC)寛解期患者とコントロール(ポリープ切除患者)群を比較検討し、UC患者における直腸環境の特殊性を解析した。
直腸・結腸の粘膜バリア機能を、内視鏡下のインピーダンス測定とex vivoのウッシング・チャンバーにて評価し、UC寛解期32例とコントロール群22例を比較検討した。インピーダンス値はウッシング・チャンバーの値は正の相関を示し、粘膜のバリア機能を反映していることが示唆され、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸では両群間に差がなかったが、UC寛解期の直腸においてのみコントロール群と比較して有意にインピーダンス値が低下していることが分かった。さらに、経過を前向きに追った結果、1年以内に32例中5例の再燃を認め、再燃群において有意にインピーダンス値が低かった。
各群の直腸と盲腸から組織を採取し、病理学的評価および炎症性サイトカインやtight junction, ムスカリン受容体に関連する遺伝子発現をreal time q PCRにて評価した。組織的評価ではいずれも炎症スコアにおいて有意差はなかったが、炎症性サイトカンではIL-1βとIL-6がUC寛解期直腸で有意に上昇していた。その他のサイトカインでは差がなかった。また、Tight junction関連分子の遺伝子発現は、ZO-1. Occludin (OCLN), Claudin1では差はなかったが、Claudin 2でUC寛解期直腸にて有意に上昇していた。一方、遺伝子発現レベルとインピーダンス値の相関を見たところ、IL-1β、IL-6、Claudin2と有意な逆相関を認めた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 潰瘍性大腸炎におけるインフリキシマブとウステキヌマブのポジショニングについて2022

    • 著者名/発表者名
      荻野 治栄、木村 勇佑、伊原 栄吉、中村 和彦
    • 学会等名
      第13回 JSIBD

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公開日: 2023-12-25  

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