動物実験腸炎モデルでは直腸のみに炎症を再現できるモデルが存在しないため、UCの病態を解明するためにはヒトにおける直腸の環境を評価するしかない。そこで、我々は寛解導入療法後に粘膜治癒が得られた状態に着目し、その病態を詳細に解析することで再燃の機序を解明出来るのではないかと考えた。直腸という特殊環境における免疫学的因子、腸内細菌叢、腸管上皮による粘膜バリア機能の相互関係を解析した研究は他になく我々の独自性があると考える。今回の研究によって、寛解中に再燃を来しにくい患者群を抽出することが出来れば、高額な寛解維持療法を中止する事が可能になり、医療経済における多大なメリットが得られると確信している。
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