研究課題/領域番号 |
20K08392
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
野尻 俊輔 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (50381843)
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研究分担者 |
三浦 裕 至学館大学, 健康科学部, 教授 (90285198)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | p68 / 肝発癌 |
研究実績の概要 |
細胞培養実験と動物実験を並行して進めている。昨年からさらに同様に実験を継続させた。 細胞培養実験 :まず3種類のヒト培養細胞の培養を始めた。ヒト内皮細胞培養はヒト臍帯静脈由来血管内皮細胞(HUVEC)を正常内皮細胞として使用し、ヒト星細胞(LX-2)、ヒト平滑筋細胞(PCS-100)も星細胞はMEM溶液にて、平滑筋細胞は専用培地にて培養した。培養状態は比較的良好で継代に成功しているが数台しか持続せず実験のやり直しが必要である。 次にヒト内皮細胞におけるp68 の強制発現及びノックダウンを試みた。HUVEC細胞を使用しp68強制発現とsiRNAによる遺伝子ノックダウンを施行した。強制発現、ノックダウンともに肝細胞使用時に比べ効率が悪くいくつか薬液やプロトコールを変更し繰り返したが実験を十分に施行するには至っていない。引き続き十分な効果が得られる条件を検索する必要がある。強制発現系では細胞間による発現効果の差が激しく安定した効果が得られにくいため正常細胞とノックダウンでの差で実験を進めるつもりであったが進んでいない。効果が十分得られるようになれば網羅的遺伝子解析を施行する予定。 コンディショナルノックアウトマウス(cKOマウス)の作製はfloxp/p68のホモF1マウスとAlb-CreホモF1マウスを交配させcKOマウスを選別することに成功した。実際に出来上がったKOマウスを使用し肝臓でのp68KOを確認したのちホモでの継代を継続することに成功した。DENとCCl4の腹腔内投与による発癌方法とDEN単独投与での発癌も同時並行ですすめた。しかしDEN単独では十分な発癌が得られずホモマウスの量が一度に得られる個体数に限りがあるため実験不十分である。また、DENとCCl4の腹腔内投与の発癌は実験結果にばらつきがありデータとして信憑性が得られていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
細胞培養でのp68強制発現が実験間細胞により結果にばらつきがある。引き続き試薬を変えるなどして安定するように検討中である。遺伝子ノックダウンについては比較的安定した結果が得られているので今後安定したら網羅的解析へ進みたい。 動物実験は肝臓のp68コンディショナルKOマウスが出来上がったため現在発癌実験に移行している所である。発癌には時間がかかりまた条件による結果にばらつきがあるためホモマウスを量産する体制を構築中です。
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今後の研究の推進方策 |
細胞培養は遺伝子発現とノックアウトの至適条件が中々うまく見つからず調整中です。 動物実験に関してはホモマウスの作製は成功しており順調だが量産体制が整っておらず個体数がまとまって得られないと結果にばらつきが出るため現在量産できるように体制を整えています。
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次年度使用額が生じた理由 |
ノックアウトマウスは作製に成功後は特に費用は掛からず維持費及び発癌、その解析にかかった費用は他の研究で使用する薬品と同種類であり古い在庫から整理するためそちらの費用でまかなった。全体に計画が遅れているため遺伝子網羅的解析は未施行でありその費用は次年度に回して施行する予定である。
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