細胞培養実験と動物実験を並列で進めた。 細胞培養実験 :まず3種類のヒト培養細胞の培養を始めた。ヒト内皮細胞培養はヒト臍帯静脈由来血管内皮細胞(HUVEC)を正常内皮細胞として使用し、ヒト星細 胞(LX-2).ヒト平滑筋細胞(PCS-100)を星細胞はMEM溶液で、平滑筋細胞は専用培地にて培養した。培養状態は比較的良好で継代には成功した。 次にヒト内皮細胞におけるp68 の強制発現及びノックダウンを試みた。HUVEC細胞を使用しp68強制発現とsiRNAによる遺伝子ノックダウンを施行した。両者とも ヒト肝細胞で使用したものを同じプロトコールで使用した。強制発現、ノックダウンともに肝細胞使用時に比べ効率が悪く条件を変えて試行したが発現変化による変化を見るのに十分な状態には至っていない。結果的に実験系としては安定せず現在結果解析検討中である。強制発現系では細胞間による発現効果の差が激しく安定した効果が得られにくく、siRNAでのノックダウンと正常細胞で実験を進めた。並行して進めたコンディショナルノックアウトマウス(cKOマウス)の作製はfloxp/p68のホモF1マウスとAlb-CreホモF1マウスを交配させcKOマウスを選別することに成功した。実際に出来上がったKOマウスを使用し肝臓でのp68KOを確認したのちホモでの継代を継続することに成功している。DENとCCl4の腹腔内投与による肝発癌を誘発するため現在投与観察中である。またDEN単独投与での発癌も文献では多数報告されているため両方法で進めた。DEN飲水法による発癌の一番ばらつきが少なく現在同方法にて実験をすすめた。観察期間を経て組織を採取し網羅的解析を検討するため資料を調節し提出した。現在結果解析中である。
|