ドキソルビシン(DOX)は小胞体(ER)ストレスの誘導によっても心毒性を発揮する。我々は本研究において小胞体選択的オートファジー(ER-phagy)によるERストレスの軽減作用がDOXによる心毒性を低減していることを見いだした。具体的には、心筋細胞におけるER-phagyをモニタリングするためのin vitroおよびin vivoの実験系を確立し、さらにはER-phagy の鍵分子であるCCPG1の機能喪失実験を行うことによって、DOXによってERストレスが増加して心筋傷害が惹起される機序にはCCPG1を介したER-phagyの活性化が深く関与していることを明らかにした。
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