研究課題/領域番号 |
20K08402
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹田 泰治 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90572305)
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研究分担者 |
大谷 朋仁 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30623897)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 右室機能 / 左心不全 / 三次元心エコー法 |
研究実績の概要 |
左心不全患者において、右室機能が予後を左右する重要な因子であることが報告されている。これらの報告では様々な手法を用い、右室機能評価を行っているが、非侵襲的右室機能評価指標が確立されているとはいえない。その理由の一つとして、右室の複雑な解剖学的形態があげられる。現在、心エコー法において、新世代の経胸壁三次元心エコー法が登場し、リアルタイムに心臓の立体画像描出が可能となった。本研究の目的は、この三次元心エコー法を用いて右室の解剖学的形態を評価し、右室容積を求め、我々が注目した右室機能指標(Estimated RV-Ea=(三尖弁逆流最大圧較差+下大静脈より推定する右房圧)÷(右室拡張末期容積―右室収縮末期容積))を算出し、この指標が、重症心不全患者の予後に与える影響を明らかにすることである。さらに、本指標と今まで予後と関連していることが報告されている指標、右室機能指標として報告されている指標との比較も行うとともに、右室心筋の線維化等の組織学的状態、運動耐容能との関係性を評価に加える予定である。 上記の研究を進めるにあたり、本年は、経胸壁三次元心エコー法の施行可能な最新の心エコー機の準備、三次元心エコー法を的確に行い、正確に三次元情報を計測するための情報収集、収集した三次元データの保存方法の確認、保存場所の確保、全データの保存場所の確保を行うとともに、研究計画書を作成し、倫理委員会に提出した。 以上の状況を確立が終了し、患者データの収集を開始するところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
第一に、コロナウィルス感染症の影響があり、新規の研究の開始が一時的に中断したこと、第二に、三次元心エコー法がより詳細に記録できる新たね心エコー機の登場があり、それを用いて研究を行うこととしたが、購入のタイミングが遅くなったこと、以上の理由により、研究の進捗は予定よりやや遅れているというのが実情である。
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今後の研究の推進方策 |
心エコー検査を確実に施行し、三次元情報についても、新しい心エコー機を用いてデータ収集する方法は十分に確立でき、そのデータ記録、保存についても確立することができている。これからは、重症心不全を認める入院症例に対して、積極的に評価を行い、データ収集を行っていく予定である。コロナウィルス感染症の影響もあり、入院症例が制限される可能性もあるので、症例収集に影響が出る可能性もあるが、対象となる症例を確実に評価、収集していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
もともと予定していた、研究環境を確保するための物品購入は予定通り行うことができた。しかしながら、想定より研究の進行がやや遅れており、症例評価に用いる血液検査や病理評価を行うために計上していた費用を用いることができなかった。これにより、次年度使用額が生じることとなった。研究を進める準備が十分に整ったため、今後は、症例組み込みを積極的に行い、その評価に用いるために必要な費用として、研究費を使用していく予定である。
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