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2020 年度 実施状況報告書

フラクタルカイン受容体に着目した腹部大動脈瘤発生機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K08406
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

柏木 学  和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70453181)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードフラクタルカイン
研究実績の概要

本年度はCX3CR1ノックアウトマウスに対する腹部動脈瘤モデルを作成し、病理組織学的な検討を行った。塩化カルシウムを用いて腹部動脈瘤の作成を行い、6週間までの結果を比較検討すると、WTに比較しCX3CR1では腹部大動脈瘤形成が抑制されていた。免疫染色においては塩化カルシウム1週間後において、大動脈瘤周囲へのマクロファージ細胞の伸展が抑制されていた。機序解明に実験を継続している。また、ヒトにおける検討を行うため、腹部大動脈瘤に対して人工血管置換術を施行された患者において、動脈瘤壁ならびに血清の試料を取得し、今後順次検討を行う次第である。
上記に加えヒト末梢血単球サブセットとインターロイキン34の関連について冠動脈疾患を有する患者にて検討を行った。インターロイキン34とCD14陽性CD16陰性サブセットは急性心筋梗塞を有する患者においてともに上昇していた。両者は相関関係にあり心筋梗塞発症後の急性期の過程において連関していることが示唆された。上記研究結果についてはCoronary Artery Disease誌に掲載された。
またフラクタルカイン陽性単球と心房細動への影響にも着目しており、現在両者の関係についてカテーテルアブレーションを行った患者をエントリーし、単球サブセットならびにサイトカインについて検討を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初予定していた実験計画と比較し、概ね順調に実験が行われていると考える。しかしながらコロナ禍の影響もありヒト試料の取得については当初予定していた症例数確保に難渋している。単球サブセットと炎症性サイトカインについての検討として、冠動脈疾患ならびに不整脈疾患においても順次検討しており、前者については結果をCoronary Artery Disease誌に掲載することができた。しかしながら詳細な機序解明には至っておらず、さらなる追加実験、試料の採取等が今後も必要であると考える。

今後の研究の推進方策

CX3CR1ノックアウトマウスを用い、遺伝子や蛋白の発現についての検討を行い、マクロファージ細胞との関連を検討する。それに平行して、ヒトより得られた試料にて同様の実験を行い、ヒトにおけるメカニズム解明を行う。
不整脈との関連に関しては、随時症例のエントリーを行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の影響があり、当初予定していた出張等が不要となった。また症例のエントリーも減少しており、実験が遅延しているため出費が少なくなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Interleukin-34 levels are increased in acute myocardial infarction and associated with major adverse cardiovascular events2021

    • 著者名/発表者名
      Manabu Kashiwagi
    • 雑誌名

      Coronary Artery Disease

      巻: - ページ: -

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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