心不全モデルラットにおいて、アストロサイトによる脳内ドレナージシステムであるグリンパティックシステムは機能不全になり、その主たる原因はアクアポリン4であることを明らかにした。また、正常ラットにおいて、アクアポリン4阻害薬を脳室内に投与するとグリンパティックシステムは機能不全になり、血行動態が悪化し心不全となることも確認できた。さらに、心不全モデルラットにアクアポリン4刺激薬を脳室内投与するとグリンパティックシステムの改善・血行動態改善・循環恒常性改善を認めた。慢性心不全においては脳内アストロサイトのグリンパティックシステムがアクアポリン4阻害により機能不全となり、治療標的になる可能性がある。
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