研究実績の概要 |
PCSK7の変化と石灰化指標の相関を解析した。58例を登録し、OCTにより評価される石灰化角度を解析した。1年間お観察期間におけるPCSK7値の上昇は、冠動脈内の石灰化角度の変化と正の相関を認めた(r=0.56, p=0.04)。 LDL-C値や年齢、性別を調整したところ、上記関係は統計学的な有意性を満たさなかった(p=0.10)。 PCSK7値と肝動脈イベントの関係についても検証した。280例におけるPCSK7値を測定し、心筋梗塞・心臓死・冠動脈血行再建術の複合イベントの発生率との関係を解析した。PCSK7値高値群は、低値群の比して複合イベントの発生率が高い傾向を認めた(8.5% vs. 4.9%, p=0.12)。 282例の健常人において、PCSK7を測定しその規定因子を解析した。肝機能障害、肥満、中性脂肪値がPCSK7に寄与する独立した因子であった。 本研究成果から、PCSK7は石灰化形成や心血管イベント発生に寄与する可能性が推察される。しかしながら、登録し得た症例数が少なく、PCSK7と石灰化の関係についてはさらなる大多数での検証が必要と考えられる。
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