Brugada症候群、特発性心室細動、QT延長症候群、QT短縮症候群等の不整脈症候群や、心室細動や持続性心室頻拍、伝導障害等の致死性不整脈合併した心筋症の症例170例あまりについて、次世代シークエンスの手法を用いて、不整脈の原因となり得る、心筋細胞に発現するイオンチャネルやその修飾タンパク、心臓の発生や維持に重要な役割を担う転写因子や転写調節因子等について遺伝子解析を行った。 まず、既報の病原性変異を同定された症例は除外した。公的データベース等で報告されているvariantに関しては、アリル頻度が稀なvariantも病原性の変異である可能性があると考えて解析に組み入れた。一症例について複数の変異が同定されることもあるが、同一の疾患の複数の症例に共通する遺伝子に変異を認める場合は、その遺伝子が疾患の原因遺伝子である可能性が高いと考えた。特に、アミノ酸の挿入や欠失等、タンパク質の構造が大きく変化すると考えられる変異を重点的に選択した。 このようにして候補となる変異を絞り込み、サンガーシークエンシングを行い変異の確認を行った。
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