ストレスが心血管イベント発症に関連するという疫学研究や、震災など大災害の後に心血管イベント発症が増加するという報告等、「脳・こころ」へのストレスが循環器疾患のリスクとなることが明らかとなりつつある。「脳・こころ」へのストレスがなぜ動脈硬化性疾患を引き起こすのか、本研究課題の核心をなす学術的な「問い」である。本研究では、ストレスと動脈硬化性疾患発症を結びつける、血中の新しい生理活性脂質代謝物を見いだし、本代謝物が血管内皮細胞において抗炎症作用を発揮することで、血管保護に関わっていることを見いだした。
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