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2020 年度 実施状況報告書

機械学習による形態的特徴量を用いたiPS細胞由来洞結節細胞の選別と分子基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K08423
研究機関鳥取大学

研究代表者

久留 一郎  鳥取大学, 医学部, 教授 (60211504)

研究分担者 三明 淳一朗  鳥取大学, 医学部, 准教授 (40372677)
經遠 智一  鳥取大学, 医学部, 助教 (60730207)
白吉 安昭  鳥取大学, 医学部, 准教授 (90249946)
森川 久未  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (90707217)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードペースメーカ細胞 / 洞結節細胞 / 機械学習 / 形態 / 特徴量 / 自動能
研究実績の概要

1)ヒトiPS細胞由来HCN4/GFP単独陽性細胞とHCN4-GFP/Shox2-mCherry二重陽性細胞の分取と電気生理学的特性の解析:ヒトiPS細胞由来HCN4/GFP単独陽性細胞を分取しその電気生理学的測定を行ったが、本細胞には心房筋様細胞がかなりの割合で混入していることが判明し、より洞結節細胞型活動電位を有する細胞を分取するために新規にHCN4-GFP/Shox2-mCherryレポーター遺伝子を搭載したヒトiPS細胞を樹立し、心筋へ分化誘導し、HCN4-GFP/Shox2-mCherry二重陽性細胞を  フローサイトメトリーで選別採取し、その電気生理学的に洞結節様自動能を確認した。2)HCN4-GFP/Shox2-mCherry二重陽性細胞の電気生理学的特性と細胞形態の記録:フローサイトメトリーで選別採取したHCN4-GFP/Shox2-mCherry二重陽性細胞を既報のパッチクランプ法により自動能特性を検討した。その結果、測定できた細胞の69.7%が洞結節型自動能を呈したが、残り30.3%は心房筋型および心室筋型という非洞結節細胞型自動能であった。以上から洞結節型自動能細胞を選別できるアルゴリズム作成に十分なデータが得られると結論した。3)洞結節型自動能を示した細胞の白黒画像からなる教師データの作成の試み:洞結節細胞型自動能を呈した細胞の白黒画像と非洞結節細胞型自動能を呈した細胞の白黒画像を用いて、その輪郭をアノテーションする試みを行っている。この過程を自動化することで正解付きの教師データを用意できると考えられる。自動化によるアノテーションに要する細胞は100を超える必要があることも判明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新規に作成したHCN4-GFP/Shox2-mCherryレポーター遺伝子を搭載したヒトiPS細胞を樹立に少々時間が掛ったが洞結節型自動能を呈する細胞を69.7%の割合で取得できることが判明し、この細胞を用いて形態的特徴から洞結節細胞を選ぶ機械学習アルゴリズムの作成に十分な細胞画像を取得できると結論出来た。また一細胞の輪郭をアノテーションするための条件設定も十分に行えている。

今後の研究の推進方策

①画像のアノテーションには機械学習で使用するため、画像内での細胞の位置を指定する必要があるが、現時点では自動化が出来ておらず人手で行う必要がある。電位を確認した細胞の位置の決定と電位を確認できていない細胞を除く方法を決めてゆく必要がある。②学習用(検証用)データの生成には、電位を確認した細胞が含まれ、確認していない細胞は含まれない画像を生成する。一画像の大きさは250pix x 250pix程度のサイズの画像を生成する事で画角全体が細胞を含む条件となる。③洞結節細胞型自動能細胞の位置を「正解」としてデータを生成する。洞結節細胞型自動能細胞の判断については、自動能活動電位波形を元に専門家が個人の経験則から判断する基準と、既報の自動能活動電位波形のパラメーターを元に数値計算で判断するものがある。それぞれの判断基準で作成された教師データで機械学習を行った際の比較についても本課題で行う。

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公開日: 2021-12-27  

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