研究課題/領域番号 |
20K08425
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
阿部 弘太郎 九州大学, 大学病院, 講師 (20588107)
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研究分担者 |
筒井 裕之 九州大学, 医学研究院, 教授 (70264017)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 肺高血圧症 / ミトコンドリア / 炎症 |
研究成果の概要 |
背景:ミトコンドリアDNA(mtDNA)をリガンドとするToll様受容体9番(toll-like receptor 9: TLR9)の活性化による炎症と肺高血圧症の進展について検証することを目的とした。 方法と結果:モノクロタリン暴露ラットは14日目に、血漿ミトコンドリアDNAマーカーが上昇し、肺におけるTLR9の活性化とIL-6 mRNAの上昇を来した。TLR9阻害薬により、右室収縮期圧・総肺血管抵抗・肺血管リモデリング・マクロファージ集簇の上昇が軽減された。 結論:TLR9はNF-κN-IL-6経路を介した肺高血圧症の進展に寄与しており、TLR9阻害は肺高血圧症の新たな治療戦略となりうる。
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自由記述の分野 |
循環器内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺高血圧症に対する治療薬は、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬、ホスホジエステラーゼ5型阻害薬、エンドセリン受容体拮抗薬、プロスタノイド製剤といった肺血管拡張薬が使用されているが、重症化した患者の予後は未だ不良である。本研究では、mtDNA-TLR9という新たな肺高血圧症進展における炎症経路を標的とした研究である。難治性疾患の肺高血圧症の閉塞性血管病変進展における新たな炎症制御の分子機構を解明することは、従来の肺血管拡張薬と独立した新たな機序に基づく治療法を提案する可能性があり、極めて独自性の高い研究であるといえる。
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