NPが特に低温環境下において保温効果を発揮したり、肥満/IR病態においてIRを改善し、心不全の病態生理の根幹であるエネルギー代謝障害に対して有利に働くことを、基礎と臨床の両面から示した。肥満や重症心不全時などIR病態では、本来ならNPが必要な病態であるにもかかわらず、実際には量的にも質的にも充分な効果を発揮していないことが示されており、こうした病態でNP補充療法の重要性・意義がより一層増すと考えられた。反対に、重症心不全に伴うcachexia状態においては、NPが作用し効を奏するために必要な脂肪組織や骨格筋量が低下し、IR改善や保温効果を十分に発揮できない可能性も明らかとなった。
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