研究課題/領域番号 |
20K08439
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
池脇 克則 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 内科学, 教授 (40287199)
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研究分担者 |
小倉 正恒 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (30532486)
末永 由美子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 内科学, 助教 (30815337)
佐々木 誠 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 内科学, 助教 (60837251)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 家族性高コレステロール血症 / HDL / アポ蛋白A-I / アポ蛋白A-I / 安定同位体 / 異化速度 / 産生速度 |
研究実績の概要 |
初年度は、家族性高コレステロール血症ホモ接合体(FH-homo)患者2名と健常者2名に対して、安定同位体を使った体内代謝動体検査(in vivo tracer study)を実施した。サンプル採取後、超遠心法にてHDLを分離し、SDS-PAGEおよびIEF電気泳動法でアポ蛋白A-IとA-IIを分離、アミノ酸に分解、修飾後、GC-MSにて tracer/tracee比を測定中である。アポ蛋白A-IとA-IIの代謝モデル(multi-compartmental model)は、我々が開発し論文発表したものを使用する((Okubo K, Ikewaki K, J. Am. Soc. Nephrol. 15: 1008-15, 2004)。1名のFH homoと1名の健常者の解析が終了し、アポ蛋白A-Iについては、FH homo患者で、濃度69mg/dL、異化速度(FCR) 0.415 pools/d、産生速度(PR) 11.45mg/kg-dであったのに対して、健常者では、濃度 118mg/dL、FCR 0.251 pools/d、PR 11.8mg/kg-dであった。アポ蛋白A-IIでは、FH homo患者で、濃度15mg/dL、異化速度(FCR) 0.362 pools/d、産生速度(PR) 2.1mg/kg-dであったのに対して、健常者では、濃度 26mg/dL、FCR 0.224 pools/d、PR 2.3mg/kg-dであった。それぞれ1名ずつではあるが、FH homoでも低HDL血症の原因は異化亢進である可能性を示している。この変化は、アポ蛋白A-I、A-IIで共通している。また、産生には異常を認めない。今後、症例を上積みしての検討が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、FHホモ接合体患者は1名の予定であったが、2名代謝検査が行えた反面、FHヘテロ接合体患者については、同意得られた患者がいるものの代謝検査まで実施できた患者がいなかった。代謝検査後の、サンプル処理、GC-MSでの測定、そしてmulti-compartmental modelでの代謝パラメーター算出は、日常的に実施しており予定通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
更なる、対象患者のリクルートを推進する。また、共同研究のペンシルバニア大学医学部 Rader教授が管理しているFHホモ接合体患者の代謝検査を計画しており、併せてサンプル測定、モデル解析を行うことによって、十分な対象患者を確保できると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
アミノ酸修飾用試薬のオーダーが遅れて今年の予算を使用できなかったため
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