研究課題
最終的に、家族性高コレステロール血症ホモ接合体(FH-homo)患者7名と健常者4名に対して、安定同位体を使った体内代謝動体検査を実施した。アポ蛋白A-IとA-IIの異化速度(FCR)の算出は、SAAMIIにmultiple-compartmental modelを構築して行った。産生速度(PR)はアポ蛋白血中濃度とFCRから算出した。その結果、アポ蛋白A-Iでは、FH homoで、濃度71.9 +/- 13.4mg/dL、FCR 0.434 +/-0.062 pools/d、PR 12.36 +/- 2.63mg/kg-dであるのに対して、健常者では、濃度 96.8 +/- 17.30mg/dL、FCR 0.285 +/- 0.053pools/d、PR 10.69 +/- 0.81mg/kg-dであった。 アポ蛋白A-IIは、FH homoで、濃度16.9 +/- 5.3mg/dL、FCR 0.386 +/- 0.050 pools/d、PR 2.54 +/- 0.68mg/kg-d、健常者では、濃度 28.8 +/- 1.9mg/dL、 FCR 0.251 +/- 0.073 pools/d、PR 2.9 +/- 0.9mg/kg-dであった。FH-homoでは健常者に比較して、アポ蛋白A-I濃度は26%減少、異化速度は53%亢進、産生速度は16%の増加、アポ蛋白A-IIについては、濃度は42%減少、異化速度は54%亢進、産生速度は12%の減少した。以上から、FH homoの低HDL血症原因は異化亢進であることが明らかとなった。FHホモ接合体での低HDL血症は付加的に動脈硬化リスクの高める原因であり、CETP阻害薬のようなHDL異化速度を低下させる薬剤によって低HDL血症を改善させることが、新規動脈硬化治療戦略として期待される。
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