研究課題/領域番号 |
20K08449
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山村 健一郎 九州大学, 医学研究院, 講師 (30532858)
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研究分担者 |
坂本 一郎 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (90616616)
山崎 誘三 九州大学, 大学病院, 助教 (00643347)
孝橋 賢一 九州大学, 医学研究院, 准教授 (10529879)
帯刀 英樹 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40343321) [辞退]
塩瀬 明 九州大学, 医学研究院, 教授 (30363336)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 心筋線維化 / ファロー四徴症 / CT / MRI / 病理 |
研究実績の概要 |
チアノーゼ性先天性心疾患で最も頻度が高いFallot四徴症は、心内修復術後も肺動脈弁閉鎖不全/狭窄により慢性的な右室の容量負荷/圧負荷が残存し、成人期に右室機能不全、致死性不整脈を生じうる。こうした転帰を避けるための肺動脈弁置換術は、成人先天性心疾患患者における再手術の中で第一位を占める。しかしながら、その手術適応は世界的に見ても未だに定まっておらず、右室容積を中心に議論される現在の手術基準では、長期予後の改善に必ずしも繋がっていないことが報告されている。当施設は2009年に全国に先駆けて成人先天性心疾患外来を開設し、”可逆的右室負荷モデル”とも言えるFallot四徴症に対する再手術数も国内有数である。研究代表者は、右室心筋線維化が術後の右室機能の可逆性を規定する因子であることを病理学的に示した。本研究ではこの成果を発展させ、肺動脈弁置換術中の右室心筋生検組織と、MRI高分解能T1 mappingやDual-energy CTといった最新の画像診断技術を用いて、右室心筋線維化の重症度を非侵襲的、定量的に正確に評価する手法を確立する。すでに倫理委員会の承認を取得し、現在は対象患者のリクルートを行っている。MRI高分解能T1 mappingやDual-energy CTによるECV(Extra cellular volume)測定ののデータも増えつつある。3年間でFallot四徴症の再手術適応判断はもちろん、肺高血圧症の治療効果判定などにも新たに安全かつ有用な指標を提供することが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
倫理委員会の承認も取得し、対象患者の集積を行っている。MRI高分解能T1 mappingやDual-energy CTのデータも増えつつある。
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今後の研究の推進方策 |
さらなる症例の集積、経時的評価を行うと同時に、画像検査結果と病理結果、生化学的バイオマーカーの関連性についても検討を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス流行の影響で学会や会議などの出張がなくなり、旅費が必要なくなったことが支出が予定額より大幅に減少した一番の原因である。医療従事者をはじめにワクチン接種も進みつつあり、次年度は出張も可能となるのではないかと考える。
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