研究課題/領域番号 |
20K08465
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
高間 典明 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (80638982)
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研究分担者 |
倉林 正彦 群馬大学, その他部局等, 名誉教授 (00215047)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 非典型的肺動脈性肺高血圧症 |
研究実績の概要 |
肺動脈性肺高血圧(PAH)のなかで中高齢にて発症し、肥満や高血圧、糖尿病、冠動脈疾患などを合併することが多い非典型的肺動脈性肺高血圧症(Atypical PAH) についての研究である。右心カテーテル検査による平均肺動脈圧(mean pulmonary artery pressure; mPAP)が25mmHg以上であることに加え、肺血管抵抗(pulmonary vascular resistance; PVR) 3.0 Wood単位以上、肺動脈楔入圧(PCWP)15mmHg以下といった基準を用いて治療を行った場合、典型的な例だけでなく非典型的PAHを区別されることなくPAHとして治療が行われることになる。これらのことを事前に予測するマーカーは現在存在しておらず、治療による肺うっ血の出現や血行動態の悪化などのリスクを回避するのは困難なのが現状である。 現在、PAH症例におけるデータの蓄積として日本循環器学会ガイドラインを遵守し、症例を集めている。また、研究登録時には結合組織病を除外していたが、基礎疾患治療後に併存するPAH(特に全身性強皮症)に関しては登録対象としている。 臨床データの評価としては入院当初に右心カテーテル検査を施行し、肺動脈圧、PCWP、心拍出量(心系数)、PVRを測定し、液性因子の評価としてPAHに対して薬物治療を行う前後での各種液性因子の評価を行っている。現状での報告となるが、全身性強皮症の症例を含めた本研究では、安静時の右心カテーテル検査を実施する他に、運動負荷右心カテーテル検査を組み合わせることで、症例によって様々な反応をしめすことが、判明してきており、典型的症例と非典型的症例がそれぞれ観察されている。これらの症例の詳細については現在経過観察中であり、本研究期間中にどのような特徴を有しているかを上記指標を用いて研究したいと考えている。また重症例(発見時すでにエポプロステノールでの持続点滴加療が必要な症例など)における特徴的な因子同定の検索も実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
肺動脈性肺高血圧症の症例自体昨今の状況から、エントリー症例が減少している。また特に当院には重症な症例が紹介されることが多く、そのような場合にはこの研究の対象外となり、救命目的での治療が優先される。また非典型例症例自体も症例を集めることに難渋している。現状が許す限り迅速に実施するよう努力する。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き症例の集積を行った上で、PAHに対して薬物治療を継続した上で臨床症状や各種検査結果の改善度を評価し、非典型的PAHの特徴を評価する。まず、薬物治療効果の評価としてPAHに対して薬物治療を行うことで、どのように臨床症状ならびに各種検査結果が変化したかを評価する。経胸壁心エコー図での各種パラメーター改善、BNPの改善、WHO-PH/NYHA classの改善など評価を行う。さらに前述した液性因子を測定し、どのように関与しているかを検討する。治療効果があると判断される場合は、同治療の継続を行う。 次に臨床データの評価と生命予後改善の検討を行う。PAHに対する薬物治療の治療効果を評価し、PAH症例への影響も解析することで非典型的PAHの特徴を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年まで昨今の事情で研究における重要な発表などをする機会がすくなく、次年度に依存する割合が大きくなったことが大きく起因していいる。
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