研究実績の概要 |
動脈硬化症の残余リスクは炎症であると考えられているが、その実態は十分明らかにされていなかった。これまでの我々の研究からは、動脈硬化症の残余リスクとしての炎症は、腸内細菌の抗原化、脾臓B2細胞の活性化、ならびに自己抗体の産生で起きる炎症に由来していると考えられる。本研究では、腸内細菌の抗原化が、食生活の乱れによるdysbiosis、腸管壁バリアの障害に由来すると仮定して、このプロセスを制圧することで、動脈硬化症を制圧ないし、改善する可能性を追求している。これまでに、腸内細菌の除菌(Chen L, Ishigami T,2016)、クロライド・チャネル活性化剤Lubiprosotne (Arakawa K, Ishigami T, et al. Plos One, 2019)および、自己抗体が動脈硬化症に果たす役割(Ishigami T, et al. 2013)を明らかにしてきた。今年度は、腸管バリア機能と、腸内細菌を標的にして、動脈硬化症の制圧について、検討した。
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