研究課題/領域番号 |
20K08479
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
早川 正樹 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (30516729)
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研究分担者 |
松本 雅則 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60316081)
井上 雄介 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (80611079)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 後天性フォンヴィレブランド症候群 / フォンヴィレブランド因子 |
研究実績の概要 |
後天性フォンヴィレブランド症候群(AVWS)の機序を明らかにするために以下の3工程を計画した。 1)試作機を作成しVWF切断、阻害抗体にてAVWS進展阻止に必要な抗体量の同定する。...試作機は前年度までに特許化も終了し、すでに様々な研究者がこれを利用して2022年人工臓器学会など学会報告され、優秀演題賞などを三年連続で受賞している。研究方法として標準化としてしつつあると思われる。我々はこの測定を利用してVWFがどのような条件で切断されるかの実験を重ね現在解析中である。この解析結果によりVWFが従来から考えられている剪断応力に比例して切断が亢進する以外に、様々なファクターが関係しているデータがでつつある。 2)AVWSの診断、出血リスク、重症度を確立する。...AVWSの重症度、出血リスクの判定する”基準”を策定する。現在奈良県立医科大学における人工心肺を利用した手術症例の検体採取を終了して周術期の患者の出血とVWFとの相関関係について解析中である。出血に関わらず高分子VWFが欠損していることを明らかにし2022年血栓止血学会で結果を報告した。高分子VWFの欠損と出血事象にばかり注目されていたが、肺血栓塞栓症などの血管閉塞を示すマーカーとしてVWFが有用である可能性が示された。 3)動物を用いたAVWS治療の構築(発展的研究)...必要な抗体の特許化は成功した。しかし動物実験(サル)では、現在新型コロナ感染症に伴いサルなどの大型動物の輸入規制があり、動物を確保できない。よってヤギによる人工的な肺血栓塞栓症を発症させAVWSを発症することを実験的に証明した。
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