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2020 年度 実施状況報告書

アデニル酸シクラーゼ活性量変動を用いた神経調節性失神患者の診断と治療効果

研究課題

研究課題/領域番号 20K08498
研究機関東海大学

研究代表者

小見山 智義  東海大学, 医学部, 准教授 (60439685)

研究分担者 吉岡 公一郎  東海大学, 医学部, 教授 (30246087)
永田 栄一郎  東海大学, 医学部, 教授 (00255457)
小林 広幸  東海大学, 医学部, 教授 (60195807)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード神経調節性失神 / 血管抑制型 / 高分解能ホルター心電図 / ヘッドアップチルト試験 / アデニル酸シクラーゼ活性 / 血圧 / 脈拍 / NMS診断
研究実績の概要

急性ストレス下における循環モデルとして、神経調節性失神(Neurally Mediated Syncope, NMS)に注目した。その中でも本研究では、血管抑制型(VT-NMS)の原因究明のために病態生理・臨床疫学調査として高分解能ホルター心電図検査とヘッドアップチルト試験中のアデニル酸シクラーゼ活性量、血圧、脈拍の変化の相関分析を行った。ホルター心電図検査は30人のVT-NMS患者を対象に実施されました。アデニル酸シクラーゼ活性量の調査は、安静時およびヘッドアップチルト試験中(4回)に採取された血液サンプルのリンパ球からのアドレナリン反応(10μM)で評価しました。本研究結果から患者のホルター心電図検査結果に変化はありませんでした。しかし、VT-NMS患者と健常者ボランティア間で血圧とアデニル酸シクラーゼ活性量に有意差があることを示しました。ヘッドアップチルト試験中、5分、10分では、アデニル酸シクラーゼ活性量が最も高く(0.53%)、収縮期血圧は最も低かった(111.8 mmHg)ことが確認できた。また、脈拍数については10分後から増加傾向にあることが確認されました。VT-NMS患者は、健常者よりもチルト試験中の血圧、脈拍数、およびアデニル酸シクラーゼ活性量が有意に高かった。このことから、NMSの失神患者(VT-NMS)では、10分以上の起立状態におかれると失神を発症するリスクが高まる可能性があることが推察されました。さらに、我々の結果は、安静時の高い傾向にある収縮期血圧とアデニル酸シクラーゼ活性量がVT-NMSを引き起こす可能性があることも示唆しました。私たちの研究結果は、収縮期血圧とアデニル酸シクラーゼ活性量のデータを用いることで、健康者の中からNMS発症リスクの評価に役立つ可能性があると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ渦の中での患者人数の減少もあるが、おおむね研究計画書通りに研究が進んでいる。その成果として、血管抑制型(VT-NMS)の原因究明のために病態生理・臨床疫学調査として高分解能ホルター心電図検査(30名)とヘッドアップチルト試験中のアデニル酸シクラーゼ活性量、血圧、脈拍の変化(27名)から相関分析を行うことができた。このことで血管抑制型の発症原因の解明と再発予防のアドバイスを行うことができる可能性を示唆した。

今後の研究の推進方策

これからもコロナ渦の状況は変わらないが、NMS患者(血管抑制型、混合型、心抑制型)の人数を増やす。そして、健常者のリクルートも行うことで、血管抑制型、混合型、心抑制型との病態生理・臨床疫学調査からのデータの比較を行いたい。そして、NMS診断の精度を高めたい。この成果は、医療現場で役立ち、これまでになかった失神発症リスク評価を見出すことで、社会医学に強く貢献できる可能性が高いと考えている。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額(B-A)については、実験費用が予定よりも安く済んだため。
今年度の使用計画は、実験用試薬、消耗品、学会成果発表、ボランティアへの謝金に用いる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Analysis of the source of aggressiveness in gamecocks2020

    • 著者名/発表者名
      Komiyama Tomoyoshi、Yoshikawa Masanobu、Yokoyama Keiko、Kobayashi Hiroyuki
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 10 ページ: 7005

    • DOI

      10.1038/s41598-020-63961-1

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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