研究課題
1. 突然死ハイリスク心不全患者における心電学的評価と臨床経過の検討心不全患者において、左室駆出率(LVEF)の低下(35%以下)は突然死の有意なリスクとされているが、突然死一次予防目的の植込み型除細動器(ICD)植込みの適応基準は確立されていない。心機能低下を伴う慢性心不全に対して両室ペーシング植込み術を施行した患者を対象として、中等度以上の僧帽弁閉鎖不全の発生有無と致死性不整脈の発現との関連性を検討した結果、僧帽弁閉鎖不全を発生した患者群では、発生しなかった群に比して致死性不整脈の発現が有意に多いことを報告した。両室ペーシングはQRS幅が広い患者が対象となるが、そのような心電学的異常を伴う慢性心不全患者における僧帽弁閉鎖不全と致死性不整脈との関連性が示唆された。2. ICD植え込み心不全患者におけるメタボローム解析の対比令和3年3月1日より「植込み型除細動器植え込み患者における炎症性サイトカイン・メタボローム解析による突然死予測因子の探索的研究」として前向き観察研究を実施した(東京女子医科大学臨床研究課題倫理委員会承認番号;2020-0037)。対象は、東京女子医科大学循環器内科において突然死一次予防目的にICD植え込み術を施行し、本研究への参加同意が取得できた心疾患患者である。約20例を対象にメタボローム解析を行い、不整脈発現を含めた患者群では、エネルギー代謝や炎症反応に関わる分子の低下傾向を認めた。血液検体による評価ではあるが、炎症反応の異常やエネルギー代謝の異常が致死性不整脈の発現と関連することが示唆された。
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