気管支喘息のマウスモデルとして卵白アルブミン(OVA)感作・曝露モデルならびにIL-33気管内投与モデル、COPDのマウスモデルとしてブタ膵エラスターゼ(PPE)誘導性肺気腫モデルを選択し、それらを組み合わせて実験を施行した。OVA+PPEモデルでは、7週齢の野生型C57BL/6Jマウスに50 ug OVA+4 mg alumをday 0、7、14に腹腔内投与にてOVA感作し、day 21-24で1%OVAをネブライザーを用いて曝露し、OVA誘導性アレルギー性気道炎症モデルを作製した。IL-33+PPEモデルでは、7週齢の野生型C57/BL6マウスにリコンビナントIL-33 0.05 ugをday 0-2、7-9、14-16に気管内投与し、IL-33誘導性アレルギー性気道炎症モデルを作製した。各々のアレルギー性気道炎症モデルとPPEの併用群(ACOモデル)では、PPE 0.1 Uをday 0、7、14の3回気管内投与を行った。Day 24にマウスを安楽死させ、肺組織をホルマリン固定し、H&E標本を作成の上、平均肺胞間距離(MLI)を算出し、肺気腫の形成を評価した。その結果、OVA+PPE併用群でPPE単独群に比べて有意にMLIが増加していた。IL-33+PPE併用群でもPPE単独群に比べてMLIが増加している傾向を認めた(図1B)。さらに、IL-33欠損マウスを用い、PPE気管内投与を行った。その結果、IL-33欠損マウスでは野生型マウスと比較してMLIが有意に低下しており、肺気腫形成が抑制されていた。以上より、アレルギー性気道炎症により気腫形成が促進されることが示され、IL-33がそのメカニズムに関与していることが示唆された。
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