自然免疫応答の異常が慢性閉塞性肺疾患(COPD)およびその増悪病態形成に重要な役割を果たす可能性が示唆される。本研究では気道上皮やマクロファージ細胞においてタバコ煙などの酸化ストレスが新規細胞質内DNA認識機構であるcGAS-STING経路を介したIFN-β産生を抑制することを初めて示した。しかしながら、COPD患者由来の気道上皮細胞における慢性気道炎症病態の存在下ではDNA刺激によるIFN-β産生が亢進しており、健常者との反応性の違いが明らかとなった。今後、健常者とCOPD由来の細胞でのDNA刺激に対する自然免疫応答の違いを明らかにすることによりCOPD増悪病態の解明につながる可能性がある。
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