COPDは喫煙による肺の炎症性疾患で、呼吸器感染症による急性増悪が問題となっている。この急性増悪に対して感染予防ワクチンが有効な手段と考えられるが、未だ万能なワクチンがない。本研究では、COPD疾患の増悪を左右するインフルエンザ菌および肺炎球菌を標的としたハイブリッド抗原を作製し、デリバリーシステムであるカチオン化ナノゲルと組み合わせた経鼻ワクチン開発を目指した。経鼻免疫したCOPDモデルマウスは、未免疫に比し、肺感染後のインフルエンザ菌数を減少させ、肺における炎症性細胞の浸潤を抑制した。すなわち、本経鼻ワクチンが、COPD患者における呼吸器感染症による重症化を予防可能なワクチンと示唆された。
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