研究課題/領域番号 |
20K08519
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中島 拓 広島大学, 病院(医), 助教 (90643792)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | Aldehyde dehydrogenase / ALDH / 線維化 / 細胞治療 / 骨髄 / 肺線維症 / 酸化ストレス / 性差 |
研究成果の概要 |
本研究課題において、我々は以下の3点を明らかとした。 1)骨髄ALDH高発現細胞(ALDHbr)の経静脈的投与によるマウス肺線維症改善、2)メス由来ALDHbrはオスと比較して酸化ストレス耐性を有し治療効果が高い、3)骨髄ALDHbrの線維化改善機序として抗酸化ストレス作用が重要である。 線維化期の投与で改善が確認されたため、ALDHbrはすでに発症したヒト肺線維症への臨床応用が期待される細胞治療ツールである。一方、効果には性差が明らかとなった。過去のALDHbrを用いた臨床試験においてマウス実験から期待されたほどの効果が認められなかったのは性差による効果の違いが関与している可能性がある。
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自由記述の分野 |
呼吸器内科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究においてLin―/ALDHbr治療により、ブレオマイシンの投与で発生する活性酸素種 (ROS)が抑制され線維化が抑制されるメカニズムを明らかとした。今日までいまだ有効な治療法のない肺線維症は、女性より男性に多く認められる。本研究によって得られた性差は、これらヒト臨床における性差と関連がある可能性がある。また、過去のALDHbrを用いた臨床試験においてマウス実験から期待されたほどの効果が認められなかったのは性差による効果の違いが関与している可能性があり、ドナーおよびレシピエントの性別に注意を払うことで過去に有効性を示すことができなかったALDHbr治療を再度見直す必要がある。
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