研究課題/領域番号 |
20K08535
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
伊狩 潤 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (50734604)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 好中球NETs / 肺気腫 / COPD / PAD4 |
研究実績の概要 |
野生型(Wt)マウスにエラスターゼ投与を行い、気管支肺胞洗浄液中の細胞分画と好中球NETsの存在について、解析を行った。肺組織中のNETsの存在をNET構成成分(MPO、NE、citH3、細胞外核等)の免疫染色免疫染色にて、評価し、好中球がNETsに特徴的なシトルリン化ヒストン(citH3)陽性の核を細胞外に放出する像をエラスターゼ投与群で有意に認めた。経時的解析では、エラスターゼ投与2日後の急性期に著明に認められ、その後、NETs陽性細胞の減少を認めた。以上より、気腫形成の急性期にNETsが何らかの役割を持つことが示唆される結果を得た。NETsの発現には、PAD4酵素によるヒストン3のシトルリン化(cit H3)とそれに続くクロマチンの脱重合が重要である。今後は、NETsの気腫における役割をpad4遺伝子欠損マウス(pad4 KOマウス)に対して、エラスターゼ投与を行い、NETs抑制効果や、気腫形成への影響、分子メカニズムの解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、当該施設での動物実験の制限や診療へのエフォートによりやや研究の進捗は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後はPAD4欠損マウスを用いて、NETの抑制が肺気腫形成に抑制的に働くか検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの流行により、一時動物実験の実施が当該施設で停止された期間があったこと、同感染症の対応に医療者としてエフォートを要したため研究に注力する時間に制限が生じたため。
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