研究課題/領域番号 |
20K08545
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
金子 猛 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (90275066)
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研究分担者 |
武山 廉 東京女子医科大学, 医学部, 臨床教授 (00339003) [辞退]
原永 修作 琉球大学, 病院, 特命准教授 (10381237)
寺田 二郎 千葉大学, 真菌医学研究センター, 特任教授 (20400898)
原 悠 横浜市立大学, 医学部, 講師 (70806299)
迎 寛 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80253821)
堀田 信之 横浜市立大学, 附属病院, 講師 (50616448)
桂 秀樹 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (20277213)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 喀痰 / ガイドライン / 血痰 / 喀血 / 急性気管支炎 / 膿性痰 / 抗菌薬 / 原因菌 |
研究実績の概要 |
3つの臨床研究を引き続き実施し、症例を蓄積している。 ①痰と喀血の原因疾患調査 (Retrospective study=Study A)②急性気管支炎における喀痰の膿性化に対する抗菌薬投与の実態(Prospective study = Study B)③喀痰の色調と臨床背景 調査(Prospective study=Study C) ①については、専門施設からの症例が解析可能な症例数の蓄積できたため、英文誌に発表した(Respir Investig. 2024;62:395-401.)。556症例の検討において、血痰・喀血の原因疾患のトップ5は、気管支拡張症18.3%、肺癌17.4%、肺非結核性抗酸菌症16.0%、細菌性肺炎6.1%、間質性肺炎5.6%であった。男女別では大きく異なり、男性のトップ3が、肺癌、気管支拡張症、細菌性肺炎の順となっているが、女性では、肺非結核性抗酸菌症、気管支拡張症、肺癌の順であった。また、プライマリ・ケアでのデータも解析可能な症例数に達したため、前述の英文誌に投稿済となっている。プライマリ・ケアでの原因疾患のトップ5は、急性気管支炎、急性上気道炎、気管支拡張症、COPD、肺非結核性抗酸菌症の順で、感染症を中心とした良性疾患が上位を占めている。これは、現在ガイドラインで採用している、英国のプライマリ・ケアでのデータとほぼ同様であった。 今後も引き続き症例を蓄積して、改めて論文発表を行いエビデンスレベルを上げていきたい。②と③については、まだ、論文発表できる症例数に達していないために、症例を蓄積している。②と③は現時点でのデータとして、①、②、③のそれぞれの結果について、本年4月の日本呼吸器学会学術講演会のガイドラインシンポジウムで発表をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、当院IRBを2021年1月8日に承認を受け(IRB approval number:B201200013)、2021年3月12日に上記研究協力施設に対して「研究に関するキックオフmeeting」を実施した。多施設との合同カンファレンスを随時行い、Study A、Cに関しては調査項目を増やすこととなり、2021年10月13日にIRBにて変更申請の承認を受けた。Retrospective studyであるStudy A(血痰と喀血の原因疾患調査)に関しては、2023年度末までに計811症例を集積し、2023年3月には呼吸器専門施設の556症例を解析し論文発表をおこなった(Respiratory investigation, 2024; 62: 395-401)。Study B(急性気管支炎における喀痰の膿性化に対する抗菌薬投与の実態)については、当初のRetrospective studyでは抗菌薬投与後の効果判定の方法・時期が各施設により異なっており正確な評価が困難であることが問題となったため、Prospective studyに変更する方針とし、2022年3月1日に変更申請の承認を受けた。各施設でもIRBへ変更申請を行ったため、症例収集の開始が大幅に遅延し2023年度末までに67症例の症例集積に留まっている。Study C(喀痰の色調と臨床背景調査)については、原因菌が培養にて同定されない症例が予想以上に多いことから症例の蓄積が遅れており、2023年度末までに123症例の症例集積に留まっている。以上の理由でStudy BとStudy Cの症例数が不十分となっており、引き続き症例の蓄積に努めている。
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今後の研究の推進方策 |
Retrospective studyであるStudy Aについては、プライマリ・ケア医を受診する患者と呼吸器専門施設を受診する患者の血痰・喀血の原因疾患の差異について比較・検討し、論文での報告を計画している。 Prospective studyであるStudy B、Cについても、症例数の増加を各施設に呼び掛けている。収集した症例は分析を経た後、論文として報告することを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究デザインに変更が生じたことで、IRB承認に時間を要し、研究が次年度まで継続となったため。次年度も研究費を使用したい。
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