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2022 年度 実績報告書

脂質酸化をターゲットとしたCOPD創薬基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K08551
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

皆川 俊介  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70468685)

研究分担者 荒屋 潤  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90468679)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードフェロトーシス / 脂質酸化 / 慢性閉塞性肺疾患
研究実績の概要

脂質酸化依存性のフェロトーシスはCOPDの病態形成に関与していることを過去に証明した。しかしながらフェロトーシスを効率的に抑制できるヒトへの薬剤は未だ開発されていない。これまでこれら分子の生成基点(最上流)である脂質ラジカル(Lipid radical)は、生体内で極微量であり高反応性のため検出困難であった。近年この脂質ラジカルに対する特異的な蛍光プローブ(NBD-Pen)が開発された。我々は九州大学と共同でこの蛍光プローブを利用して、脂質ラジカルをより効率的に阻害させる化合物を既存薬の中からスクリーニングした。スクリーニングした化合物は22種類の既存薬であった。我々は、過去にCSE(cigarette smoke extract)によって気道上皮細胞のフェロトーシスが誘導されることを過去に証明しているが、今回これらの化合物によって脂質酸化や、フェロトーシスが抑制されるかについて検討を行った。細胞死の評価として今回はCCK-8アッセイによるviability評価を行った。ポジティブコントロールとして、過去に抗フェロトーシス作用の認められた、Ferrostatin-1(Fer-1)およびDefferoximine(DFO)を用いた。手術肺より分離培養した気道上皮細胞に5% CSEによって刺激すると著明に細胞死が増加したが、Fer-1およびDFOはこれらを抑制した。また同時に22種類の化合物でも抑制効果を比較した。その結果2種類の化合物A,Bが、Fer-1およびDFOよりも有意に強い抑制効果を示した。これら2種類の化合物は、LDHアッセイによる細胞障害アッセイにおいても同様に細胞死抑制効果を示しており、脂質酸化の抑制効果も認めた。以上よりこれら2種類の化合物は抗フェロトーシス効果を介してCOPDの新規治療薬になる可能性が示唆された。

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公開日: 2023-12-25  

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