研究実績の概要 |
本研究の目的は これまで測定が困難であった安静呼吸下で実施可能なO2拡散能測定方法を確立し,肺O2拡散能を安静呼吸で測定する機器の開発である。研究初年度である2020年度は、O2拡散測定回路の構築を行った。吸気呼気部分の死腔容積が、1回吸気時にのみ高濃度O2ガスを負荷させるためには問題となり、デマンドバルブを使用して解決をこころみた。2021年度は、デマンドバルブを取り入れ、吸気回路部分の死腔容積を小さくした回路をくみ上げた。モニタリング指標として、回路内O2、CO2、換気量、酸素飽和度を設定。」ベースガスとして、室内気もしくは30%O2+N2バランスガスを使用。吸気負荷ガスとして、40%O2+N2バランスガス、60%O2+N2バランスガス、80%O2+N2バランスガスの3種の酸素濃度が異なるガスを用いた。ベースガスで呼吸が安定したところで、40%O2+N2バランスガス、60%O2+N2バランスガス、80%O2+N2バランスガスの3種の酸素濃度が異なるガスいずれかを、1回吸気させ、呼気O2、呼気CO2、吸気量、呼気量を測定した。ベースガスを一定として、濃度の異なる酸素ガスを1回吸気にのみ使用することで、負荷ガス濃度差により変化するO2吸収量を、血液内の酸素分圧、二酸化炭素分圧を使用せずに、測定する計算方法を算出した。しかし、最終年度である2022年度は、各種測定値からO2吸収量を算定する計算方法の確立に多くの時間が割かれ、呼吸機能障害のある被検者を対象としたサンプリングは行うことができなかった。今後、あらためて、呼吸機能障害のある被検者を対象とした計画を今後検討していく予定である。
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