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2020 年度 実施状況報告書

COPDにおける肺胞上皮細胞のストレス応答機構と微小環境相互作用の検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K08558
研究機関東北大学

研究代表者

藤野 直也  東北大学, 大学病院, 助教 (10633670)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードCOPD / 肺胞上皮II型細胞 / 幹細胞
研究実績の概要

慢性閉塞性肺疾患 (Chronic Obstructive Pulmonary Disease, COPD) は、タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することなどにより、炎症・酸化ストレス・プロテアーゼが過剰産生し、気道および肺胞構築が破壊され進行性の気流制限を呈する難治性呼吸器疾患である。近年、マウスモデルを利用し、修復・再生に寄与する組織幹細胞群やシグナル伝達経路が明らかにされてきた (Nat Rev Mol Cell Biol 2019;20:551)。これらの研究成果を応用し、COPDを含めた難治性呼吸器疾患に対してヒト内因性組織幹細胞を薬剤や増殖因子等により活性化させ、破壊された肺胞組織の修復・再生を誘導する「Regenerative Pharmacology」という新規概念が注目されている (Thorax 2019;74:890)。しかし、マウスモデルで得られた知見は必ずしもヒトに応用可能とは限らないため (Eur Respir J 2018;51:1702133)、疾患肺組織の修復・再生を目指すためには、疾患肺自体における組織幹細胞の機能変化およびそれを規定する分子メカニズムを十分に明らかにする必要がある。

本年度は、肺胞上皮細胞の幹細胞として知られる肺胞上皮II型細胞(II型細胞)を分離し、3次元培養系の確立を目指した。特にniche細胞として知られる線維芽細胞との共培養系を確立した。さらにII型細胞の局在について、健常肺組織、COPD肺組織を用いた免疫組織化学的検討により、解析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍により手術件数が減少したことから肺組織の入手が難かったこと、またCOVID-19診療に伴い研究はやや遅れている。

今後の研究の推進方策

本年度は、ソートしたII型細胞をヒト肺由来線維芽細胞または血管内皮細胞と共培養し、II型細胞sphere培養を行うシステムを確立する。非喫煙者、既喫煙者、COPD患者よりII型細胞を分離し、事前に健常肺より分離培養した線維芽細胞または血管内皮細胞と共培養する。炎症性サイトカインや過酸化水素水を添加し、II型細胞の増殖能 (Ki67染色/細胞周期解析)、分化能 (T1α, HOPXなどI型細胞マーカーのmRNA/蛋白質発現) を比較する。

次年度使用額が生じた理由

本年はコロナ禍のため検体入手ができなかったことから研究がやや遅れたため、助成金を繰り越すこととした。2021年度では培養系の確立がほぼ可能となっているため、計画通り研究を遂行する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Sialic Acid-binding Immunoglobulin-type Lectin1 (Siglec1) Is Important For Bacterial Engulfment By Alveolar Macrophages And Is Down- regulated In COPD Patients2020

    • 著者名/発表者名
      N. Fujino, A. Tanno, M. Yamada, H. Sugiura, T. Hirano, R. Tanaka, H. Sano, M. Ichinose
    • 学会等名
      American Thoracic Society 2020 International Conference
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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