研究課題
本研究ではヒトtransforming growth factor-beta1過剰発現トランスジェニックマウス及びブレオマイシンで肺線維症を誘発したMUC5B過剰発現トランスジェニックマウスを用いて肺線維症における肺内細菌叢の役割を検討した。MUC5B過剰発現トランスジェニックマウスでは肺線維症のAshcroftスコア、肺組織中のヒドロキシプロリンは野生型マウスにくらべ、有意に低下した。次に肺線維症マウスモデルを用いて肺内細菌叢由来の細胞死因子(コリシン)の同定ができた。肺線維症の急性増悪におけるコリシンの役割を検討した。先ず、抗コリシンモノクローナル抗体を開発し、コリシンの作用を抑制することを確認した。そして、自然に肺線維症を発症するヒトtransforming growth factor-beta1過剰発現トランスジェニックマウスを用いてコリシンを経気道投与したところ、肺線維症の急性増悪が誘導され、コリシンが肺線維症の急性増悪に関与することが明らかになった。また、抗コリシンモノクローナル抗体を投与した群ではコントロールIgGを投与した群に比べ、肺線維症の急性増悪が有意に軽減された。次にヒトtransforming growth factor-beta1過剰発現トランスジェニックマウスに抗生物質カクテル(ネオマイシン、アンピシリン、メトロニダゾール、ゲンタマイシン)を毎日一回、5日間連続経口投与し、マウスを無菌化状態にした。無菌化状態のマウスにコリシンを分泌する菌又はコリシンを分泌しない菌を経気道投与したところ、コリシンを分泌する菌を投与したマウスではコリシンを分泌しない菌を投与したマウスに比べ、肺線維症の病態が悪化した。
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