研究課題
CBWD1は申請者が見出したCAKUTの新規原因遺伝子である(Kanda S, et al. Journal of the American Society of Nephrology, 2020)。本論文の中で申請者はCBWD1遺伝子の部分欠失をCAKUT患者に認め、Cbwd1が尿管芽の細胞核内に発現すること、Cbwd1ノックアウトマウスが尿路の異常を呈することを明らかにした。そこでCBWD1がどのようなメカニズムで腎臓発生に関わっているか明らかにするために研究を行っている。以前の実験でCbwd1と尿管芽に発現する転写因子Gata3とが生化学的に結合することを見出していた。また、Gata3は尿管芽の発現を制御するRetの発現を制御することが知られている。そこでCBWD1ノックアウトマウス(C57BL/6N-Cbwd1em1)胎仔の腎臓とwild typeマウス胎仔の腎臓の切片を用いてRetの発現変化を免疫染色法にて評価したが、両者にRetの発現量の明らかな差は認められなかった。そこで、CBWD1ノックアウトマウスとwild typeマウス胎仔の腎臓を用いて、RNA-seq解析を行った。CBWD1の発現はwild typeマウスでは発現が確認され、ノックアウトマウスではその発現が消失していたことから実験はうまくいっていると評価した。Ret遺伝子の発現量に差は認められなかった。両者間に有意差があった遺伝子は65個あった。その中でデータベース上で胎生期の腎臓に発現していることが知られているものは5つ(Slc4a1、Pkdh1l1、Car2、Ren1、Spp1、Nkx2-2)確認された。今後はこれらの遺伝子の発現量の変化が、CBWD1ノックアウトマウスの表現型(腎尿路形態異常)を説明しうるか解析を行っていく。
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