研究課題/領域番号 |
20K08586
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
忰田 亮平 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20737697)
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研究分担者 |
成田 一衛 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20272817)
細島 康宏 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (50464003)
斎藤 亮彦 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任教授 (80293207)
寺田 康彦 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (20400640)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | MRI / Na / ネフローゼ症候群 |
研究実績の概要 |
腎臓内でのNa+ハンドリングの可視化は、腎臓領域の研究での悲願であり、特に、ネフローゼ症候群では、Na+の貯留と浮腫の成因として、underfillingとoverfillingの機序が提唱されているが、腎臓内のNa+の全体像を明らかにできる方法は今までなかった。申請者らは、マウスのごく小さな腎臓に対して、23Na-MRI(磁気共鳴映像法)を用いて23Naをもとにした画像化に成功し、水の効率的な再吸収が可能となる対向流増幅系のNa+の濃度勾配・Na+の貯留の状態を可視化した。この23Na-MRI画像をもとに、今まで理解できなかったネフローゼ症候群における「腎臓全体のNa+のハンドリング・Na+の貯留」と「Na+の再吸収に関わるチャネル・トランスポーター」の関係を明らかにすることで、病態生理の解明を試みる。腎臓全体でのネフローゼ症候群のNa+の再吸収に関わる機構の異常を解明することを目的とする。①ネフローゼモデルマウス(NEP25マウス)を用いて、ネフローゼ症候群といった病的状態では、腎臓内のNa+再吸収に関わる作用点(チャネル・トランスポーター)がどのように変化するか明らかにする。②さらに、Na+の再吸収に影響する薬剤、具体的には、副腎皮質ステロイド、SGLT2阻害薬、RAS阻害薬、トルバプタン、ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬、ヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド(hANP)、バソプレッシン等について検討する。③ 腎臓内Agt、AngII量や挙動と画像所見を元にしたNa+の再吸収機構の関連について検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
NEP25マウスは東海大学松坂泰二教授より供与を受けて、すでに飼育中である。また、正確な腎臓内の位置の特定のため、検出コイルを新たに作成し、23Na-MRI画像を既存の 1HプロトンのMRI画像と合致した画像が撮像できた。近位尿細管ではNa+/H+逆輸送体(NHE)3,Na+依存性グルコース輸送体(SGLT),Na+依存性リン酸輸送体(NaPi)、ヘンレの太い上行脚(TAL)ではNa+-K+-2Cl-共輸送体(NKCC2)、遠位曲尿細管ではNa+-Cl-共輸送体(NCC)、集合管主細胞ではENaCがある。これらの働きを阻害する方法として、各作用点に対応する利尿薬(ループ利尿薬、サイアザイド系利尿薬、スピロノラクトン、アミロライド、トリアムテレンなど)をC57BL/6マウスに投与して、撮像を開始している。
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今後の研究の推進方策 |
今後、ネフローゼモデルマウスの撮像を行なっていく。しかし、本学で飼育中のNEP25マウスを輸送して、撮像するにあたり、MRI機器がある場所のP1Aの条件を満たすことが可能か、また、輸送によるマウスの馴化の問題が伴うと考えられる。一案として、既報によりすでに検討されているLPSを投与した作成したネフローゼマウスによって解析することも検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染症の蔓延により、学術総会がオンラインでの参加などにより、旅費を使用しなかった。翌年度の実験を充実させて、研究を展開する予定である。具体的には、消耗品の購入に充当させたいと考えている。
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