IgA腎症は腎糸球体メサンギウム領域へのIgA1の沈着を特徴とする糸球体腎炎である。マウスへのB cell activation factor of the TNF family (BAFF) 遺伝子発現ベクターの静注投与による遺伝子導入にて、高IgA血症および腎糸球体メサンギウム領域へのIgAの沈着が誘導され、12カ月後にはメサンギウム細胞増多、メサンギウム基質増加、15カ月後にはメサンギウム融解などの高度の糸球体障害が認められた。単離糸球体から抽出したRNAを用いて発現遺伝子を経時的に比較検討した結果、Baff遺伝子導入後に共通して発現上昇している遺伝子として、遺伝子Xを同定した。
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