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2021 年度 実施状況報告書

MGRS関連腎症の臨床疫学と沈着蛋白に着目した腎・生命予後の検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K08600
研究機関藤田医科大学

研究代表者

林 宏樹  藤田医科大学, 医学部, 准教授 (10378086)

研究分担者 湯澤 由紀夫  藤田医科大学, 医学部, 教授 (00191479)
尾形 宗士郎  国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (00805012)
坪井 直毅  藤田医科大学, 医学部, 教授 (50566958)
稲熊 大城  藤田医科大学, 医学部, 教授 (60791069)
冨田 章裕  藤田医科大学, 医学部, 教授 (80378215)
高橋 和男  藤田医科大学, 医学部, 教授 (90631391)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードMGRS
研究実績の概要

今年度は日本腎臓学会が主導するJ-RBRコホートの横断解析を行った. 2007年7月から2017年7 月までに登録された38,319例から最終的にM蛋白関連腎症として160例(0.4%)が同定され,腎障害を有する多発性骨髄腫/悪性B細胞腫瘍(MM/BC)群が84例, 血液悪性腫瘍の診断および治療介入基準を満たさない血液疾患(MGRS)群が76例であった. 両群の患者背景(性別, 年齢, BMI, 血圧, 糖尿病の合併, 高血圧合併)に差はなかった. 一方, 腎生検の契機となった腎症候は, 急性経過(AKI/AGN/RPGN)がMM/BC群で48%であったのに対しMGRS群では4%, 慢性経過(NS/CGN)がMM/BC群で48%であったのに対しMGRS群では89%と大きく異なっていた(P<0.001). 腎組織診断はMM/BC群では円柱腎症(63%), 腎アミロイドーシス(14%), MIDD(11%)の頻度が高かったのに対し, MGRS群では腎アミロイドーシス(49%), MIDD(12%), 腎硬化症(11%), MPGN(7%)であった.
以上, 自施設での腎生検症例におけるM蛋白関連腎症の頻度が3.4%であることを考慮すると, J-RBRにおけるMG関連腎障害は過小に評価されていると思われる. その原因として疾患概念が浸透していないこと(特にMGRSにともなう腎障害), 不十分な検体検査(血液・尿蛋白分画・電気泳動, Free light chain), ルーティン化されていないκ/λ染色などが挙げられる. 腎障害の基礎疾患としてのMGRSは血液領域と腎臓領域の双方に関連するヘテロな疾患群であることから, 密な連携により早期診断を目指すとともに, この一群の予後を明らかにし, 早期介入の重要性を腎臓内科から発信していく必要がある.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

自施設のM蛋白関連腎症コホートの解析は終了し、論文投稿した。次いで学会が主導する大規模レジストリーであるJ-RBRコホート解析の論文投稿準備中である。しかし臨床検体のプロテオーム解析は、組織診断困難例の数例にとどまっている。

今後の研究の推進方策

組織標本を含む臨床検体のプロテオーム解析を行い,組織病型ならびに予後を規定するM蛋白構造と共沈着タンパク質を探索する.

次年度使用額が生じた理由

外国旅費を計上していたが、Cvid-19の影響で国際学会への参加が出来なくなった。また、研究成果の論文化を行ったが、リジェクトとなり、2022年度に追加解析するたも費用と再投稿の費用を要する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 【腎臓医が診る指定難病】指定難病各論 膠原病関連腎疾患 シェーグレン症候群2021

    • 著者名/発表者名
      梅田 良祐, 林 宏樹, 湯澤 由紀夫
    • 雑誌名

      腎と透析

      巻: 91 ページ: 143-148

  • [学会発表] Monoclonal gammopathy 関連腎疾患の予後2021

    • 著者名/発表者名
      成宮利幸,尾形宗士郎,高橋和男,林 宏樹,小出滋 久,稲熊大城,長谷川みどり,湯澤由紀夫,坪井直毅
    • 学会等名
      第64 回日本腎臓学会学術総会

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公開日: 2022-12-28  

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