研究課題/領域番号 |
20K08611
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
向山 政志 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (40270558)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 慢性腎臓病 / 慢性炎症 / 糖尿病性腎症 / マクロファージ / ERストレス / MRP8 / ANGPTL2 / オステオクリン |
研究成果の概要 |
糖尿病性腎症や腎炎などの慢性腎臓病(CKD)は国民の13%が罹患する国民病であり、新たな治療戦略が求められる。CKD病態解明と新たな治療法開発を目指し、特にmetabolic kidney diseaseを対象として腎内慢性炎症および液性因子を中心に検討を進めた。 その結果、炎症惹起因子MRP8及びANGPTL2が重要であること、また骨由来Na利尿ペプチド関連因子オステオクリンが腎保護作用を有することを見出した。さらに、シングルセル解析を用いて新たなCKD進展の鍵因子を見出している。 一方で、MRP8及びANGPTL2の血中濃度高値が透析患者での死亡リスク、動脈硬化進展に関与することがわかった。
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自由記述の分野 |
内科系臨床医学・腎臓内科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病性腎症に代表されるmetabolic kidney diseaseにおける局所因子の意義、特にマクロファージ由来炎症惹起因子の増悪因子としての役割を明らかにすることで、これらを標的とした新たな創薬への基盤となる。さらに、急性腎障害慢性化の機序を明らかにすることで腎症進展阻止のための治療戦略となりうる。MRP8やANGPLT2、オステオクリンはその候補分子であり、これらを標的とした治療法はなく、病態での意義の解析から新たな治療戦略の提案へと繋がる可能性がある。一方で、これらの血中濃度は腎症患者の予後予測におけるバイオマーカーとしての意義が示唆され、今後の腎疾患診療に貢献する可能性が高い。
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