研究課題/領域番号 |
20K08617
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
合田 朋仁 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (20365604)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | TNF受容体 / プログラヌリン / 慢性腎臓病 / 炎症 / 糖尿病性腎臓病 |
研究実績の概要 |
高尿酸血症を合併した第3期慢性腎臓病患者を対象に高尿酸血症治療薬であるフェブキソスタットを用い、腎機能への影響を評価したランダム化並行群間比較試験 (Feather study) のストック血清 (約400名) を用い、血中TNF受容体濃度をELISAで測定した。主研究結果では高尿酸血症治療薬であるフェブキソスタット治療開始後、12週後には尿酸値は約4mg/dLに半減し以降も持続していた。一方、治療12週後の血中TNF受容体濃度は、治療開始前とほぼ変化は認められなかった。これらの結果より、高尿酸血症治療薬であるフェブキソスタットは慢性腎臓病患者におけるTNF受容体濃度の制御因子ではないことが明らかにされた。また、治療開始前の血中TNF受容体濃度は、一般的な腎予後予測因子である治療開始時の糸球体ろ過量(GFR)や蛋白尿で補正しても、ベースラインから30%GFR低下を予測する独立した予測因子であった。これまで、主に糖尿病患者における血中TNF受容体濃度は腎予後(腎機能低下)予測に有用であるとの報告は多くなされていたが、糖尿病非合併のCKD患者においては十分なエビデンスはなかった。本研究結果は、糖尿病非合併のCKD患者においても血中TNF受容体濃度が高値の場合には、将来の腎機能低下を予測することを証明した点において新規性があると思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度も研究は順調にすすみ、本研究課題に対して3編目となる英文論文も受理されている。
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今後の研究の推進方策 |
今回の研究課題は順調に進捗しており、残りの研究課題に関しても、引き続き継続して行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していたより、順調に研究もすすみ消耗品購入費用も節約できたため、次年度に持ち越すことになった。今年度の研究費用に、持ち越し分も考慮して使用していく。
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